JA全農たまご 代表取締役社長 小島 勝
卵の集荷から物流、企画提案まで、フルラインアップの強みを生かす!

2017/08/01 00:00
聞き手=下田健司 構成=明知真理子
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全国ネットワークと全農のグループ力

──同業他社との差別化ポイントは何ですか。

小島 全国に商品を流通させられるということです。全国の生産者との連携も強みです。われわれは全国にさまざまな規模の生産者とのネットワークを持っています。

 卵の自給率は96%と畜産物でも唯一高い商品です。需要に対してきちんと供給できている産業なのです。生産者の意欲も非常に高い。そうした生産者に生産してもらい、われわれが販売をサポートするというかたちで関係を強化していきたいと思っています。

 全農グループには、畜産経営に役立つ技術を開発する「飼料畜産中央研究所」や、家畜の健康と病気の研究をする「家畜衛生研究所」があります。クリニック制度という、農場の衛生状態を定期的にモニタリングし、チェックするシステムも持っています。全農と組み、技術的なサポートもできます。既に多くの生産者に活用いただいています。

──全国に拠点があり、全農グループの協力が得られるのが強みですね。

小島 全農には「畜産生産部」があり、畜産物の飼料原料の輸入も手がけています。研究所に加え、飼料の工場もあります。そうしたグループとしての総合力を結集したのが、飼料から食味までこだわった「とくたま」という商品です。商品開発において、グループとしての総合力は非常に大きいと思っています。

 また、そうしたグループの力は営業活動に活用できます。農畜産物を広く扱うのが全農の強みで、グループには畜産物以外の米や野菜などを扱う会社もあります。将来的には卵の提案だけでなく、流通業のお客さまのニーズに応じて農畜産物も提案できるようにしたいと思っています。

──中長期的にどのように成長していこうと考えていますか。

小島 国内では今、卵の消費が伸びています。そのなかで、卵のことであれば隅から隅まで解決できるような会社になりたいと思っています。集荷、物流、企画提案まで一貫して提供するには、一定の取扱量がなければできません。そのために、販売数量を伸ばすことに注力したいと思います。中食・外食向けの需要の開拓にも力を入れていく考えです。

 社員に伝えているのは、「迷ったときには経営理念に立ち返り、それに沿った仕事をしよう」ということです。われわれの経営理念は、「新鮮、美味、安心な商品」、そして「高品質なサービスの提供」です。高品質の商品を生産者につくっていただき、高品質なサービスを提供することで、小売業や消費者のお客さまに喜んでいただく。それを通して日本の鶏卵産業に貢献し、ひいては日本の食と農の充実につながればと思っています。

JA全農たまご

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