エバラ食品工業 代表取締役社長 宮崎 遵
独自性のある調味料を開発し、生鮮品の需要拡大に貢献する!

2017/08/01 15:30
聞き手=下田健司 構成=室作幸江
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経営ビジョンを象徴する本社のワンフロア化

──もう1つの軸であるコミュニケーションの進化という点についてはいかがですか。

宮崎 お客さまのインサイトをしっかり獲得して発信していくことが重要と考えています。これまでもテレビCMは当社にとって主要な媒体でしたし、現在もそれは変わりません。もしかすると、今まで以上にマス広告が効果を持つ時代になってきているのではないでしょうか。テレビCMを見て、「おもしろい!」と思ったり「何だろう?」と気になると、多くの人はスマホで検索します。そこでエバラブランドに触れ、興味をもてばSNSで発信したり、拡散したりします。結果として、広告的に効果が期待できるというわけです。最近では、パソコンよりもスマホで検索する人が増えているため、この4年でWeb・SNSなどを含めたデジタルマーケティングのシステムを抜本的に改革しました。こうしたシステムが購買行動につながることは確かなので、今後も力を入れていきたいと考えています。

 どんなコミュニケーションであれ、どこかにエバラらしいユニークさや独自性が発揮できるように取り組んでいます。「おもしろくなければ気づかれない!」というのが持論です。

──ほかにコミュニケーションに関する取り組みはありますか。

宮崎 社内のコミュニケーションについては、3年前に本社を移転した際、ワンフロア化しました。それまでは本社で5フロアを使い、グループ企業も近隣に点在していたのですが、現在の本社に移転し、サッカー場ほどの1700坪のフロアに社員が集結したことで、打ち合わせなどがスムーズに行えるようになりました。同時に物流会社やハウスエージェンシーなどの関連会社にも同じフロアに入ってもらったことで、これまでのように出向くことなく、すぐに打ち合わせができ、早く決めて、早く動くことが可能となりました。月に一度はグループ全体で朝礼も行っています。

 この本社移転は「Evolution 60」を象徴するものだといえます。エバラの独自価値をつくるのは、「ブランド」であり「グループ社員」です。グループのコミュニケーションを活性化していくことで、「ニッチ&トップポジションの確立」が可能になると考えています。

──小売業への提供価値をどのように考えていますか。

宮崎 創業者の言葉に「肉があるからたれがある」というのがあります。まさしくその言葉どおりで、いろいろな調味料を提供することで生鮮食品の需要拡大に貢献したい。それが当社のミッションであると考えています。これからも需要拡大と売場の活性化に向けて、エバラらしいユニークな商品やサービスを提供していきたいと思っています。

エバラ食品工業

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