ネスレ、健康戦略を刷新へ 内部文書で大部分の製品が「不健康」
[チューリヒ 31日 ロイター] – スイスの食品大手ネスレは31日、栄養・健康戦略の刷新を表明した。ネスレの内部文書に同社の大半の食品・飲料が不健康だと描写されていたと英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が報じたことを受けた。
同紙が入手した経営陣向けの内部資料には、主力の食品や飲料の60%以上は、「一般的な健康の定義」では健康的とは言えないとの記述があった。こうした評価は、医療用栄養食品やペットフード、コーヒー、粉ミルクなどの分野を除く、製品全体の約半分について実施された。
金融サービス会社ケプラー・シュブルーのアナリスト、ジョン・コックス氏は、除外品目を含めれば、不健康と見なされる可能性がある製品の比率は大幅に減少すると指摘。「同社グループの製菓・アイスクリーム・ピザ事業の割合を考慮すると、今年の推計に基づく実際の割合は28%となり、驚くほどではない」との見解を示した。
その上で、この報道は製品ラインナップの変更、特に主力の製菓部門からの撤退を示唆している可能性があると述べた。
ネスレは声明の中で、栄養・健康戦略の刷新に向けた「全社横断的プロジェクト」に取り組んでおり、製品が人々の栄養ニーズを満たしているかどうか検証を行っていると表明。
過去7年間で製品に含まれる砂糖とナトリウムを約14─15%削減したとし、製品をより健康的なものにする取り組みを続けるとした。