全店24時間営業のハローズ、過去最高益を達成 新中計で取り組む新戦略とは
中国・四国地方で食品スーパーを展開するハローズ(岡山県/佐藤利行社長)の2021年3月期決算は増収増益だった。コロナ禍の内食需要の高まりが追い風となったほか、計画的な新規出店などにより業績を伸ばした格好だ。25年度を最終年度とする新たな中期経営計画では、120店舗体制の構築と営業収益2000億円という目標を掲げた。
コロナ禍でも24時間営業を継続
ハローズの21年3月期決算では、営業収益が対前期比12.8%増の1519億円、営業利益が同43.7%増の76億円、経常利益が同42.7%増の75億円、親会社株主に帰属する当期純利益は同55.1%増の54億円だった。利益ベースでは過去最高益の数値となった。
コロナ禍の内食需要の高まりを受けて生鮮食品の売上が好調だったほか、感染対策を徹底しながら、従来から実施していた24時間営業を全店で継続。「自分の都合のよい時間帯に買物できることが既存店売上高の押し上げにつながった」と佐藤社長は話す。既存店では客数は同1.2%減だったものの、客単価は同8.0%増、売上高は同6.7%増だった。
人件費増加も販管費率は減少
商品部門別の売上高構成比に関しては、在宅勤務の普及などによる家庭内の調理ニーズの高まりで総菜が減少した一方、生鮮食品やデイリー食品が増加。全体の売上総利益率は前期と比較して0.2ポイント(pt)伸長したほか、粗利率は0.4pt改善した。
また、計画的な出店戦略も増収に寄与した。21年3月期は5店舗を新規出店したほか、3店舗を改装(うち2店舗は増床リニューアル)。33期連続の増収となり、20年度を最終年度とする中期経営計画の目標として掲げていた1500億円を達成した。
販管費に関しては、ポイント付与施策などは増えたもののチラシの自粛などにより広告宣伝費は同18.7%減。店舗数の増加や初任給の引き上げ、コロナ対策支援金、特別賞与などにより人件費は同12.6%増だったものの、トップラインの引き上げや既存店の電気代削減などにより、売上高に占める販管費率は同1.0pt減少して22.8%だった。