ブランド品の在庫を持たずアートを展示、コメ兵の南青山サステナブル店舗が見据えるSDGs
利潤追求があってこそ、健全な循環型経営が可能になる
南青山とガーナ。真逆の環境にある2つの地域が、「サステナブル」を共通言語につながり、さらに店舗でのアートの消費が社会の課題解決にもつながっていく――。異なる2つの循環型経営が交わることで、その輪は社会を巻き込む大きなサイクルとなり、結果的により大きな意味を持つ循環を生み出した。
藤原氏は最後に「当社は70年以上『リレーユース』を守り続けていますが、この店舗を通してやっとお客さまが参加できるかたちになったと思っています。『売る』『買う』という行為によって、お客さま自身がサステナブル活動に参加していただいて、我々だけではなく、お客さまも含めた世界観でリレーユースをどんどん進めていけたらと思っています」と感慨深げに話した。
消費活動がそのままサステナブル活動につながる仕組みの構築。社会貢献と利潤の追求は相容れない印象を持たれがちだが、企業は利益を上げなければ存続できない。経営を持続し続けるためになにを犠牲にするかではなく、なにができるのか。同社の取り組みには、ポスト大量消費社会に企業が存続し続けるために必須となったサステナブル経営を考える上で、多くのヒントが詰まっている。