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会見速報!売上1兆円3000店舗の巨大ドラッグ新会社、マツキヨココカラ&カンパニー誕生へ!

2月26日、マツモトキヨシホールディングス(千葉県/松本清雄社長、以下マツキヨHD)、ココカラファイン(東京都/塚本厚志社長、以下ココカラ)は、経営統合に関する共同記者会見を行った。両社は経営統合を実施することについて合意、両社の間で経営統合契約を締結した。21年10月1日付けで、マツキヨHDを親会社としてココカラを完全子会社として株式交換を実施、マツキヨココカラ&カンパニーが誕生、マツモトキヨシグループ、ココカラファイングループ両子会社を束ねることとなる。

 

マツキヨHD松本清雄社長

 19年8月に経営統合に向けた協議開始から精力的に協議を進めてきた。2021年10月1日より1つの統合会社の元、同じ理念・ビジョンを共有する仲間となり、売上高1兆円・3000店舗の企業が誕生する。
 経営統合の意義は2つある。1つは最も店舗数が多いことから、最も身近な日本最大のドラッグストアグループになること。それにより、ワントゥワンマーケティングを確立していく。意義の2つ目は、ヘルス&ビューティ分野で圧倒的なプレゼンスを獲得すること。アジア地域の事業基盤確立も進め、国内にとどまらず、美と健康の分野でアジアナンバーワンをめざす。

ココカラ塚本厚志社長

 経営統合に向けた取り組みとこれまでの成果について話したい。1年半前、私は「生き残りではなく、勝ち残るための道として経営統合を選択した」と話した。現在、ドラッグストア業界は変革期を迎えている。ライフスタイルが多様化し、社会構造も大きく変化した。さらにコロナ禍により消費動向も大きく変わった。そうした中で、「変化」を「飛躍に向けた成長機会」と捉え、勝ち残るための経営統合を決断した。

 これまでの資本業務提携による成果について、マーチャンダイジングの統一とPB(プライベートブランド)供給が開始し、売上に占めるPB比率は7%から10%に拡大し、ココカラの21年3月期下期だけで40億円の利益増加が見込める状況だ。

 これまでの資本業務提携からさらに踏み込んだ経営統合の実現により、大きなシナジーが期待できる領域は6つある。①NB商品で販売力を生かした仕入れ改善、②PB商品の相互販売と共同開発、③販促面における共通デジタル販促、④店舗運営面における業務の標準化、効率化、⑤調剤における調達コスト低減、そして⑥物流・システムコスト等におけるコスト削減と効率化である。

 経営統合3年目までを目処に営業利益300億円規模の改善効果を見込んでおり、経営統合初年度だけで営業利益約200億円のシナジーが発現されることとなる。

概要・理念・経営ビジョン

 新会社マツキヨココカラ&カンパニーに込められた思いとして、「&カンパニー」は 同じ志を持つ仲間が集まることを意味している。グループ理念は、「未来の常識を創り出し、人々の生活を変えていく」。これにより、新たな顧客体験を作り出し、輝きを増していく生活・地域社会の実現に貢献していく。

 グループ経営目標は、新たな商品・サービスの提供を通じて、アジアナンバーワンドラッグストアを目指し、グループ売上高1.5兆円、営業利益率7%(26年3月期)をめざす。

経営統合の方式・今後の予定

マツキヨココカラ&カンパニーが誕生する

 統合完了後は、純粋持ち株会社であるマツキヨココカラ&カンパニー(マツモトキヨシホールディングスから商号変更)の元に、シナジー創出会社である新会社MCCマネジメント、そして事業会社のマツモトキヨシグループ、ココカラファイングループ(ココカラファインから商号変更)が連なるかたちとなる。なお、株式交換比率はマツキヨHD1に対してココカラファイン1.70。

  統合会社マツキヨココカラ&カンパニーの経営体制について、代表取締役会長に松本南海雄氏、代表取締役社長に松本清雄氏、代表取締役副社長に塚本厚志氏がそれぞれ就任する。取締役はマツキヨHDから10名、ココカラから5名が就任する予定だ。

質疑応答

–26年2月期の売上高1.5兆円をどう達成するか?

 新規出店や既存店の改装、調剤事業強化などを進めることが第一条件だが、今まで以上にM&A(合併・買収)、フランチャイズ契約など、同じ志を持つ企業を持つ企業が集まれば達成は早いので、それを持って目標達成に向けて進んでいきたい。

–経営統合による顧客、取引先へのメリットは?

 両社の持つPBには魅力的な商品が揃っている。お客さまは、それを購入することでより豊かな美と健康な生活を送ることができるので、どんどん商品の開発を進めたい。またマーケティング分野で、ワントゥワンマーケティングを確立していく。それにより、美と健康の課題解決をする拠点がたくさん存在することになるので、その規模をフル活用して、お客さまにとって身近な存在になることを進めていく。取引先にとっては、会社の成長性に期待してもらい、一緒に成長していただくことがメリットとなる。

–統合会社のグループに参加したい企業は、広く受け入れるのか?

 現時点で、具体的な(検討している)事実はない。ただ、今後、一緒にやっていきたいという会社があれば、積極的に検討して、進めていきたい。

–経営統合を進める上で障害はあるか?

 特にない。これまで1年半にわたって協議を進め、資本業務提携も行ってきたが、その成果として期待以上のものが出ている。お互いの強みを掛け合わせ、弱みを補完できる良い関係にある。経営統合は必ずうまくいくという確信を持っている。

–グローバル化に向けた考え方について

 現在マツキヨは、タイ、ベトナム、台湾で展開し、香港でも会社を立ち上げている。ココカラも海外で一部展開しており、両社でさらなる海外展開を考えている。他の国々からも出店の打診が来ており、今後も力を入れていきたい。

–インバウンド需要復活の時期と回復具合について

 具体的な時期は、明確な答えを出せるものではない。ただ、マツキヨとしては、6月中旬から後半にかけて日本でも一般市民のワクチン接種が始まるので、各国でワクチン接種が順調に進めば、早ければ8月から9月にも入国が進むのではないかと見ている。

–調剤事業への取り組みについて

 両社合算で1000億円・700拠点を超えており、調剤市場で相当のプレゼンスを発揮できる。医薬品、調剤機器の仕入れのコスト削減も行いながら、患者さまへのサービス拡充をこれから進めていく。地域密着型のロケーションを生かし、地域包括ケアシステムをいっそう充実していきたい。

–両社のブランドは残るのか

 両社とも長い期間かけてブランドを確立してきたので、両社ブランドをしっかり生かしながら、同じ方向に進んでいきたい。

–今後の両社の出店戦略と重複する店舗網の整理について

 経営統合の効力が発生するまでは、個別の出店政策を執行していく。両社共にフォーマットがいくつかあるので、全体最適をベースに、都度都度出店するフォーマットを検討していきたい。店舗網の重複するエリアに関しては、現在、どこを閉店するという話はないが、赤字が常態化している店は、今後しっかり判断していく。ただし、隣り合うからどちらかを閉店するということではない。一つの街に両ブランドの店舗があったとしても、会社として考えると地域シェアのアップにつながるためだ。