ヤオコー旗艦4店舗を徹底分析!生鮮+総菜一体型売場進化の系譜と回遊性の課題解決はこう進む!
ヤオコーでは、新たな商品政策、あるいは新たな売場レイアウトに挑戦した旗艦店を定期的に出店している。ヤオコーが旗艦店と位置づける店舗は、いずれも同社トップクラスの売上を誇る繁盛店であり、強さのヒントを得ようと視察に訪れる関係者も多い。ヤオコーの旗艦店では今、どのような売場づくりが行われているのか。2021年1月現在、同社が旗艦店と位置づける4店舗をレポートしていく。(調査期間:1月9~30日) ※本文中の価格はすべて本体価格
ヤオコー川越南古谷店
首都圏トップレベルの完成度!?生鮮一体型の総菜売場に注目
2017年に大改装を実施!生鮮と総菜のさらなる一体化へ
ヤオコー川越南古谷店(埼玉県川越市:以下、川越南古谷店)は、JR川越線「南古谷」駅から約700m離れた場所にある。埼玉県を中心に展開するショッピングセンター(SC)「ウニクス」シリーズの第1 号、「ウニクス南古谷」の核店舗として、2003年3月に開業した。ウニクス南古谷には、川越南古谷店のほか、ホームセンターやドラッグストアがテナントとして入居しており、シネマコンプレックスや大型アミューズメント施設なども入る。
川越南古谷店の売場面積は約791坪。17年3月の大改装で現在の姿に生まれ変わった。店づくりで特徴的なのは、後述の旗艦店「ヤオコー東大和店」(東京都東大和市:以下、東大和店)のモデルを進化させ、インストアベーカリーと総菜売場をより一体化させている点だ。
具体的に見ていくと、インストアベーカリーではフードコート側に配置した16尺の多段什器で「クロワッサン」(168円)、「カレーパン」(158円)など約30品目を販売。平台ではフランスパンやピザなど、6尺の冷蔵ケースでは、サンドイッチのほか、チーズケーキやタルトなどを扱う。店舗に隣接するフードコートに面した売場には専用カウンターを設け、バイオーダーメニューを提供。ソフトクリーム、ドリンクのほか、「ローストビーフ丼」(650円)、「具材たっぷり8種の海鮮丼」(580円)など総菜6品目をラインアップする。
総菜売場では、米飯関連に述べ38尺のスペースを割き、「煮込みロースかつ重」(498円)、「デミハンバーグ&かにクリームコロッケ弁当」(498円)など店内製造の商品14品目を販売。「八方だしあさり飯」「三色そぼろ丼」(各398円)など自社センターから納品した商品も扱う。「和総菜」「麺」は32尺の平台で、「8品目の筑前煮」「ほっこり肉じゃが」(各298円)、「チャーシューメン」「ちゃんぽん麺」(レギュラーサイズ398円、小サイズ298円)などセンター納品中心の品揃えとしている。
「おにぎり」「餃子」などを並べた平台は36尺で、「野菜餃子」「豚肉餃子」(各5個199円、10個398円)、「エビチリ」「黒酢酢豚」(各298円)などを揃える。「フライ」「天ぷら」のほか、魚総菜シリーズ「漁火」を販売する平台も同じく36尺で、人気商品の「二層のメンチカツ」(2個276円)をはじめ、「広島産カキフライ6個」(398円)、「えび天ぷら」(2個256円)などを揃える。隣接する柱周りのスペースでは、看板商品のおはぎのほか、新商品の自社製どら焼(1個99円)などを並べている。
そのほか、デザートにも力を入れており、「なめらか杏仁苺」(398円)、「手造り濃厚チーズケーキ」(398円)などを販売。21尺の寿司コーナーでは、「本鮪が入ったちょっと贅沢握り」(10貫780円、24貫1550円)、「海の幸10個入り自慢の海鮮丼」(498円)などバラエティーに富んだラインアップを揃える。立体的かつ機能的な総菜売場であり、商品を選択する楽しみがある。扱う商品も多く、総菜売場の1つの完成形であると筆者の目には映った。
「一体感」を醸成する巧みな売場配置
そのほかの主要な売場を見ていくと、鮮魚売場は総菜売場内の寿司コーナーから連動させるかたちで売場を展開。
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