今期末までに1㎞圏25%シェア獲得目指すヤオコー、高シェア率の佐倉染井野店の売場づくり解説
ヤオコーは2021年3月期を最終年度とする第9次中期経営計画の中で、「1㎞商圏シェア25%」を重点目標に掲げている。この目標を達成にするにあたっては、店舗網の大半を占める標準店が、どのようにシェアを獲得していくかが焦点となる。本稿では、地域内で高いシェアを握っているとされる標準店、「ヤオコー佐倉染井野店」(千葉県佐倉市:以下、佐倉染井野店)の売場をレポート、「シェア率25%の世界」を先取りして占ってみたい。(調査期間1月9日~1月30日)※本文中の価格はすべて本体価格
オープンから10年超!地域の“核”となる店舗
佐倉染井野店は京成電鉄本線「京成臼井」駅から直線距離で約1.5㎞の場所にある。緑豊かな「七井戸公園」に隣接し、周辺は戸建て住宅中心の閑静な住宅街が広がる。
佐倉染井野店がオープンしたのは2010年10月のこと。ヤオコーが管理・運営するショッピングセンター( S C )「t h emarket Place佐倉」の核店舗で、同地には総合スーパー(GMS)の「イトーヨーカドー臼井店」の跡地を整地して出店した。佐倉染井野店のほかには「しまむら」「マツモトキヨシ」「ダイソー」などが入る。道路を挟んで向かいには「カワチ薬品」「ケーヨーD2」があり、同エリアにおいて一大商業ゾーンを形成している。
競合店としては、約1.4㎞離れた「京成臼井」駅前にGMSの「イオン臼井店」、約2.3㎞離れて「ベイシア佐倉店」があるくらいで、競争はそれほど激しくない。周辺に広がる住宅地は世帯数も多く、所得水準も高いと見られ、食品スーパーにとって魅力的なマーケットが広がる。オープンから10年以上が経過し、佐倉染井野店はこのエリアに根差した店舗として確たる地位を築いており、同店の「1㎞商圏シェア」が高いことも頷ける。
佐倉染井野店の売場面積は、ヤオコーのほぼ標準となる約622坪、売場配置も同社の標準スタイルを踏襲している。売場スペース構成比は生鮮4部門が29%。生鮮4部門と日配の合計は47%で、生鮮と非生鮮がほぼ半々の、バランスが取れた売場となっている。
企画販促を着実に実行する「現場力」
売場を見ていこう。導入部の青果売場では、
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