31. 販促、ネットスーパー…2度目の緊急事態宣言で確認するスーパーが進む新常態のゆくえ
買い方の多様化も新常態に
コロナ禍ではネットスーパー市場の様相も変わりました。多くの企業が、昨年の緊急事態宣言下では、急増した注文にキャパシティが追いつかなかったと振り返ります。その後、サービス導入店の設備増強や新規拠点の拡大を進めています。また、スマホアプリから注文できるようにして購入方法を増やしたり、ドライブスルー方式やロッカーの設置などで受け取り方も多様化しつつあります。西友と楽天、ライフコーポレーションとアマゾンジャパンのように、オンライン事業者とスーパーの提携も一段と深まりました。
ネットスーパー事業は収益面に課題を残すものの、導入店の売上は確実に上がるようです。ヤオコーの会員データ分析では、リアル店舗の購入額は下がらず、そこにネット売上がオンするそうです。それほど不思議なことではありません。ネットスーパーを提供していない間、顧客には別のネット通販で購入していた商品があったのではないでしょうか。
私自身もそうですが、食品でも日用品でも、リアル店舗で購入するものとネットで購入するものには違いがあります。すでに生活者は購入方法を使い分けており、リアル店舗の事業者は、オンラインの購入機会を用意しない限り獲得できないニーズがあると思います。ウィズコロナの環境は、オンライン購入のニーズを押し広げる方向に働いており、コロナ後も購入方法の多様化として定着することでしょう。
店で選びたい商品(スーパーでいえば生鮮や惣菜でしょうか)はあるけれど、何もかも店でしか買えないのでは不便と思うはずです。「スーパーで買物? そりゃ店もネットも必要でしょ」。それが新常態ではないでしょうか。