いなげや、20年度上期決算は増収増益 好調のうちに取り組む仕入れ先の集約
東京都を中心に、1都3県で食品スーパー(SM)やドラッグストアを展開するいなげや(東京都/本杉吉員社長)は11月4日、オンラインで2021年3月期第2四半期の決算を発表した。新型コロナウイルスの感染拡大による特需で、他のSM企業と同じく増収増益となった。下期以降は20年度を初年度とする中期3か年経営計画に基づき、既存店の再構築に基づく安定した事業基盤の確立や商流・物流の見直しなどに取り組んでいく方針だ。
既存店客単価が大きく伸長
いなげやの21年3月期第2四半期連結決算は、営業収益1368億円(対前年同期比8.4%増)、営業利益46億円(前年同期は1億円の損失)、経常利益47億円(同6300万円の損失)、四半期純利益31億円(同2億円の損失)の増収増益だった。他のSMと同様、コロナ禍の巣ごもり需要、まとめ買い需要が業績を大きく押し上げる格好となった。
事業別では、主要のいなげやの売上高は1050億円(対前年同期比10.7%増)で、売上高の伸びに伴い売上総利益率も0.8ポイント上昇した。販管費については折り込みチラシの削減などによる経費減で同2.4%減となった。
いなげやと三浦屋を合わせた「スーパーマーケット事業」については、客数が同4.9%減だったものの、客単価が同15.4%増と大きく伸長し、既存店売上高は同9.8%増だった。本杉社長は、多摩エリアを中心とする東京都下郊外の住宅立地の店舗が多く、都心部や駅前立地の店舗が少なかったことが好業績に寄与していると説明している。
また、ウェルパークを中心とする「ドラッグストア事業」の既存店売上高は同0.1%減、客数は同1.0%減、客単価は同1.1%増だった。