アクシアル リテイリング原和彦社長が答える「食品スーパー生き残りに必要な企業規模とは!?」

ダイヤモンド・チェーンストア編集部
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「やり過ごす」のではなく「積極的に立ち向かう」

──19年4月から毎年5日間の有給休暇取得が義務付けられるなど、働き方改革の波も押し寄せています。

 この点は同業他社もかなり苦労していると思われます。厚生労働省のデータによれば全産業の有給取得率が約50%であるのに対し、小売業は36%程度。そうした状況下で、5日間の有給休暇を必ず取得させなければなりません。

 原信ナルスにおいても4年前の有給取得率は35%程度でした。そこで3年ほど前から有給取得率を上げるため、さまざまな改革に取り組んできました。とくに力を入れたのが、会議体の見直しです。各店のチーフを月に一度本部に集める「チーフ会議」をはじめ、全社単位でありとあらゆる会議を見直しました。その結果、会議体は従来の6割ほどに減り、それを原資に有給取得を促していきました。直近の有給取得率は19年3月期で64.6%、20年3月期は75%近くまで上昇する見込みです。

 そしてこの副次的な効果として、「情報の伝え方」にも変化が見られています。タブレットを使った動画マニュアルや、テレビ会議のシステムの導入が進んでいます。これらは会議を見直すために採用したものですが、今回のコロナウイルス対応ではこれらの設備をフル活用せざるをえない状況になっています。こうした対応も、ある程度の企業規模がないと難しいかもしれません。

──コロナ禍によって企業間の差が生まれ、再編のトリガーになる可能性もありそうです。いまだ収束の兆しが見えないコロナウイルス騒動に小売業はどのように対応していくべきでしょうか。

 04年の7.13水害ならびに新潟県中越地震の際も危機的状況でしたが、それを乗り越えたことで、商品を備蓄していくことの重要さを学びました。この経験は後々のディストリビューションセンター(DC)づくりに大きく役立っています。

 リーマンショックの際も、単に低価格訴求を実施したのではなく、結果的に利益を確保しながら低価格で販売するといった収益管理力のレベルが大幅に向上するという成果が得られています。今回の新型コロナウイルスの感染拡大も、ただこの状況をやり過ごすのではなく、積極的にこの危機に立ち向かい、企業体質を磨いていきたいと考えています。

アクシアル リテイリング会社概要

本部所在地 新潟県長岡市中興野18-2
設立 1967年8月
店舗数 129店舗(2020年4月時点)
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