ドラックストア商品がスーパーマーケット生き残りの「最重要商材」になりえるこれだけの理由

2020/05/01 05:55
    有田英明
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    障壁は「無意識の商品差別」

     生活必需品マーケットを獲得できたら、次のステップとして「生活向上品マーケット」を狙っていく。生活向上品は潜在需要であり、お客からすれば「あったほうが生活水準が向上するが、なくてもそれほど困らない」という商品である。つまり生活向上品は売るのが難しい。

     生活向上品は売れれば売上と利益に多大な貢献をする。またお得意さまも創る。しかし売れなければ売上と粗利と在庫回転とロスとコストが悪化するリスクもある。生活向上品は売るためのハードルは高い。したがって生活必需品の販売が軌道に乗ってから取り組んだ方がリスクが最小化できる。

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    ハウスキーピングニーズを部門で分けると、ヘルスケア部門、ビューティケア部門、雑貨部門に大別できる。ヘルスケア部門の導入だが、第2類と第3類の医薬品であれば比較的簡単である。調剤は相当に難しい。

     ビューティケア部門は、トイレタリーは比較的簡単である。化粧品は導入そのものが難しい。化粧品部門は育つまで時間がかかるので、在庫回転主義ではやれない。美容部員の育成も必要になるからだ。

     雑貨部門は比較的簡単である。とはいえ、ヘルスケア、ビューティケア、雑貨にしても 52 週MDと店頭での作業動作を確立することが前提になる。また先に述べたように、生活必需品の導入は比較的簡単だが、生活向上品の導入は難しい。  SMが強化すべき部門としては食品もある。レトルト、インスタント、冷凍食品、乾麺と いった簡単便利食品、それに菓子と酒類も取り組めば売上高と粗利益高は改善する。

     実のところSMによるDGS商品の獲得において一番の障壁となるのが「無意識の商品差別」である。SM業界では生鮮4品が一番の価値であり、そのほかの食品は2番目の価値であり、ノンフーズは価値が低いとの意識が強い。例えば「殺虫剤や除草剤は品がない」という意見もあったりする。

     お客からすれば本マグロの刺身も、乾電池も、2Bの鉛筆も、除草剤も価値は同じである。つまりDGS商品の獲得では「商品に貴賤はない」という意識の徹底が必要になる。

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