アクシアル リテイリング原和彦社長が激白! 基盤機能の再整備と26年の戦略とは

関川 耕平 (ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者)

商品開発力強化へ 社内制度改革が進行

アクシアル リテイリング代表取締役社長の原和彦氏

 商品開発力の向上にも努めている。具体的には、品質で選ばれる商品づくりを重視した設備投資と制度改革を進めているところだ。

 設備に関しては、商品開発を行う「MDキッチン」や家庭の調理環境を再現した「はらナルキッチン」などを2410月に移転した新本部に導入した。これにより、商品開発にかかる時間を短縮できている。以前は23カ月先に発売する商品を慌てて考えていたが、現在はより先を見据えて計画的に開発を進め、新商品のストック数を増やしている。上半期は150品目を超える商品を開発しており、100を下回っていた前年同期と比べて開発数を大きく伸ばせている。

 制度改革については、今期新たに設けた社員の自己啓発支援制度「美食の旅」などが挙げられる。この制度は、社員が「お客さまの立場に立ち、なぜその商品がおいしいのか」を考察し、レポートを作成することで費用の一部を会社が補助する仕組みだ。新制度を通じて社員の能力を磨き、開発の質と量を上げていきたい。

 広告・販促面も大きく進化している。自社アプリ「原信ナルスアプリ」は50万ダウンロードを突破し、販促ツールとして戦力化しつつある。また、グループ傘下の印刷会社、高速印刷(新潟県/高橋和章社長)を活用し、チラシ、テレビCM、インスタグラムなどのSNS向けの動画などを自社制作できる体制も整えてきた。今後も引き続き、販促コンテンツの強化を進めていく方針だ。

 

 

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記事執筆者

関川 耕平 / ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者

1995年生まれ。同志社大学文学部英文学科卒業。

24年に株式会社ダイヤモンド・リテイルメディアに入社し『ダイヤモンド・チェーンストア』の担当編集者となる。

趣味はクライミングとコーヒーを淹れること。特技と悩みは浪費と早食い。

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