ヨークHD新体制下の経営戦略を発表 イトーヨーカ堂はフード&ドラッグに専念へ
イトーヨーカ堂、「食の強化」奏功し利益改善へ
長年にわたって収益確保に苦しんできたイトーヨーカ堂だが、直近2年間では「食の強化」を中心に改革を進めてきた。23年9月には、首都圏で食品スーパーを展開するヨークと経営統合。24年2月には、セントラルキッチンにプロセスセンターを併設した「Peace Deli千葉キッチン」(千葉県千葉市)を本格稼働させ、食のグループ共通インフラを構築した。そのほか、地方店舗の閉鎖などのコスト削減も行った。
その結果、26年2月期の第1四半期の営業利益は54億円の黒字に転換、また11年以来の大幅な増益を達成した。営業利益率も3.1%で回復の兆しが見えている。イトーヨーカ堂の山本哲也社長は「この2年間、身を切る改革をやってきたことで、一定の利益水準になった。これまではトップラインが思うように上がらない中で経費をコントロールして利益を捻出していたが、トップラインをしっかり上げることによって利益が出せる企業体質になった」と話し、食の強化を中心とする改革の成果を強調。フード&ドラッグ事業に専念する今後について、「ヨークHDの一員としてベインキャピタル様にリソースやノウハウを提供いただき、この成長を加速させていきたい」と意気込んだ。

説明会に同席したベインキャピタル・ジャパンの西直史氏は、「イトーヨーカ堂をはじめとして、地域に根差し愛されてきた企業が揃う小売グループはヨークHDのほかにない。各企業のシナジーを結集して展開していけば、より大きな成長の機会がある」と指摘。今後の投資分野については、「最も重要なのは既存ビジネスのドミナントエリアを拡張していくこと」としたうえで、既存店改装やM&A(合併・買収)、デジタル分野などへの積極投資を検討していることを明らかにした。






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