スキマバイトの「タイミー」が運営支援! ワタミがサブウェイの新旗艦店でめざすこととは

阿波 岳 (ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者)

グループシナジーを生かした新商品を投入

 ワタミは今回の旗艦店出店を機に、ワタミグループの各業態で培ったノウハウや人気メニューを活用するかたちで、サブウェイの商品戦略を大幅に見直した。

 たとえば、新メニューとして登場した「牛カルビチーズ」(税込990円)は、グループの「焼肉の和民」のノウハウを生かした商品だ。また、居酒屋業態で人気の「和民サラダ」の具材を応用した「シーフードグラタン」(同690円)も加わった。

旗艦店の出店を機に新商品を複数投入した

 他方、ワタミはサブウェイにおいて野菜の品質強化にも取り組んでおり、独自の「サブウェイ基準」を新たに策定した。同基準は土壌や農薬の使用基準などを明確化し、安全・安心・おいしさを追求した野菜の生産をめざすものだ。現在、国内で約50社と提携し、「サブウェイ基準」に則った栽培が進められている。

 こうして育てられた有機レタスで具材を包んだサラダラップシリーズの「チリチキン」(同620円)や「てり焼きチキン」(同670円)、日替わりで内容が変わる「日替わりサラダ」(同680円)など、野菜を軸にしたメニューも拡充させた。

 さらに、これまでお客から味について厳しい意見も寄せられていたコーヒーを刷新。アラビカ種100%のコーヒー豆を用いた「スペシャルティドリップコーヒー」(Sサイズ 165ml 180円、Mサイズ 210ml 260円)を新たに導入している。渡邉会長兼社長は「コーヒーだけを楽しみに足を運んでいただけるような、ファストフード界で一番おいしいコーヒーをめざす」と語る。

コーヒーは使用する豆から改良が行われた 

今後の商品開発と店舗戦略の方向性は?

 今後の商品開発については、現在、朝食需要を見込んだ1/4サイズのサンドイッチ商品の導入を計画している。渡邉会長兼社長は「既存商品の延長ではなく、時間帯ごとのニーズを見極め、より的確な商品提案を行っていきたい」と述べた。

 今後の出店戦略については、24年末時点で国内180店舗の体制を25年には215店舗、34年には1065店舗まで拡大する計画だ。25年内は35店舗の出店(そのうち直営店舗が13店舗)をめざし、そのうち23店舗の出店が254月時点ですでに決定している。

店内は新たな内装デザインを採用した

 とくに、新宿や川崎といった都市部の一等地には直営店を集中させ、ブランド価値の向上をねらう。一方、フランチャイズ(FC)店舗では収益性を重視した運営を行い、直営とFCで役割を分けながら全体の成長を図る。

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記事執筆者

阿波 岳 / ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者

大学卒業後、社会の荒波にもまれる日々を経験。そこで書籍や会報誌の編集に携わるうちに、メディア事業への興味が芽生え、今に至る。
趣味は喫茶店巡りと散歩。喫茶店での一杯のコーヒーや、街角の散策を生きがいとしている。
これまで全都道府県を制覇するという小さな目標を達成した。何かを極めたり、制覇したりすることには、なぜか人一倍の熱意を注いでいる。
最近の悩みは、ここ数年で増えた体重との戦い。健康の大切さを意識しつつも、喫茶店のコーヒーに合わせたスイーツや、ランチの大盛りがやめられない。今日もまた元気に「大盛で!」と注文しつつ、明日こそ控えめにしようと心に誓っている。

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