サミットストア上星川店にみる「あっと驚く洗練された店」の作り方

2020/02/23 12:02
    大宮 弓絵 (ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長)
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    サミット(東京都/竹野浩樹社長)は2月22日、神奈川県横浜市に最新店「サミットストア上星川店」(以下、上星川店)をオープンした。2016年に就任した竹野浩樹社長のもと、店づくりを大きく変えてきた同社。なかでも近年の新店は、その洗練された内装デザインや空間演出が注目を集めている。最新店の上星川店はそれをさらに進化させた店だったーーー。

    2月22日オープンした「上星川店」。開店日は多くの人が押し寄せた
    2月22日にオープンした「上星川店」。開店日は多くの人が押し寄せた

     上星川店がオープンしたのは、相鉄本線「上星川」駅から北西約300m。マンションの建設が進み人口が増加傾向にあるエリアだ。サミットのドミナント空白地帯への出店となる。


     売場面積は1814㎡で同社が得意とする600坪タイプ。ワンフロアの広い売場を生かし、竹野社長は「このエリアに住む人たちがあっと驚くような洗練された店づくりをめざした」と話す。

    竹野社長が話す
    「あっ」と驚く空間とは

     実際に見てみると、まず目に入るのが解放感ある売場だ。天井高を約6mと高くすると同時に、計画的な設計によりスケルトン式でありながら天井に見える配管を極力少なくしている。

    上星川店のメーン出入口から見た空間。天井が高く売場が広く感じる
    上星川店のメーン出入口から見た空間。天井が高く売場が広く感じる
    売場の柱には鏡を張って、圧迫感が出ないようにしている
    売場の柱には鏡を張って、圧迫感が出ないようにする工夫も

     また、売場の一部には天井からテントを吊るして欧州のマルシェのような空間を演出している。

    酒類売場ではオレンジ色のテントを採用。ワインの棚には木目調にしてナチュラルな雰囲気を醸し出す
    酒類売場ではオレンジ色のテントを採用。ワインの棚は木目調にしてナチュラルな雰囲気を醸し出す

    丸物、魚総菜、寿司の加工場が一並びに!

     売場のなかでも注目したいのは、オープンキッチンに過去最大面積となるガラス窓を使った鮮魚売場だ。加工風景の見せ方にもこだわった設計で、鮮魚、煮魚・焼き魚、寿司の3つの加工場が横一列に並び、多くの工程が見えるようにしている。

    「店頭で扱う素材を使って、煮魚・焼き魚、寿司を製造していることを多くのお客さまに知っていただくねらいもある」(サミット取締役執行役員で店舗開発責任者の星野郁夫氏)

    上星川店の鮮魚売場 手前が丸物の加工場で、煮魚・焼き魚、寿司と横に続く
    上星川店の鮮魚売場。手前が丸物の加工場で、煮魚・焼き魚、寿司と横に続く
    煮魚・焼き魚(左)と寿司(右)の加工場
    煮魚・焼き魚(左)と寿司(右)の加工場

     実は、鮮魚の加工場には他にも工夫がある。

     壁面上部に、売場と同様のクロスと使うことで、店に奥行きがあるように見せている。また、包材の棚は自然色のブラインドで隠し、雑多な印象を与えず、より店内加工の様子を見てもらえるようにした。

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    記事執筆者

    大宮 弓絵 / ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長

    1986年生まれ。福井県芦原温泉出身。同志社女子大学卒業後、東海地方のケーブルテレビ局でキャスターとして勤務。その後、『ダイヤモンド・チェーンストア』の編集記者に転身。

    最近の担当特集は、コンビニ、生協・食品EC、物流など。ウェビナーや業界イベントの司会、コーディネーターも務める。2022年より食品小売業界の優れたサステナビリティ施策を表彰する「サステナブル・リテイリング表彰」を立ち上げるなど、情報を通じて業界の活性化に貢献することをめざす。グロービス経営大学院 経営学修士

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