山形の老舗百貨店「大沼」が破産申請、消費増税で地方百貨店の苦境が一段と鮮明に
山形市に本店を構える老舗百貨店、大沼は1月27日、山形地方裁判所に破産を申請した。創業は1700年で、地域一番店として営業を続けてきたが、人口減少やインターネット通販の浸透、郊外型ショッピングセンターとの競争などにより売り上げの減少が続き、破産申請に至った。
東京商工リサーチによれば、ピーク時の1993年2月期には売上高196億円を上げていたが、2014年2月期には売上高が100億円を下回り、15年2月期以降は赤字が常態化していた。
18年4月には投資会社のマイルストーンターンアラウンドマネジメント(東京都)の傘下に入ったが、再生は計画通りに進まず、その後、大沼の執行役員らが出資する投資組合が大株主となって再建を進めていた。
19年8月には米沢店を閉店したが、10月の消費増税もあって山形本店の客足は戻らず、320年の歴史に幕を下ろした。東京商工リサーチが取引先に取材したところによると、従業員は全員解雇されるという。