第97回 減少続く…データで見る2023年度のSC動向
一般社団法人日本ショッピングセンター協会(東京都/清野智会長 以下、日本SC協会)から『SC白書2024 ブレイクスルー ~NEXT SC時代~』が発刊された。そこから見る近年のショッピングセンター(SC)の傾向と課題について解説したい。
SCの定義と取り扱い基準
日本SC協会から発表されるSCに関する数値には、下記のような「定義」と「取り扱い基準」が定められている。
SCの定義
- ショッピングセンターとは、1つの単位として計画、開発、所有、管理運営される商業・サービス施設の集合体で、駐車場を備えるものをいう
- その立地、規模、構成に応じて、選択の多様性、利便性、快適性、娯楽性等を提供するなど、生活者ニーズに応えるコミュニティ施設として都市機能の一翼を担うものである
SC取り扱い基準
SCは、ディベロッパーにより計画、開発されるものであり次の条件を備えることを必要とする。
- 小売業の店舗面積は、1500㎡以上であること
- キーテナントを除くテナントが10店舗以上含まれていること
- キーテナントがある場合、その面積がショッピングセンター面積の80%程度を超えないこと。但し、その他テナントのうち小売業の店舗面積が1500㎡以上である場合にはこの限りではない
- テナント会(商店会)等があり、広告宣伝、共同催事等の共同活動を行っていること
この「定義」と「取り扱い基準」に沿って全国のSCをカウントしている。なお、この定義と取り扱い基準は現状に合わせ近々改定される予定である。
2023年に開業・閉業したSC
2023年、新たに開業したSCは、34か所。この数は、コロナ禍で落ち込んだ2021年の24か所に次いで少ない数となった。また、開業SCの合計面積も58万3728㎡となり、前年に比べ4万㎡ほど少ない(図表1)。近年では2013年をピークに明らかに漸減傾向にある。
一方、閉鎖等SCは126か所となった(図表2)。閉鎖等SCとは、閉店した27SCに前項の基準から外れた99SCを合算したものである。
続きを読むには…
この記事は DCSオンライン会員(無料)、DCSオンライン+会員限定です。
会員登録後読むことができます。
DCSオンライン会員、DCSオンライン+会員の方はログインしてから閲覧ください。
ウィズコロナ時代のショッピングセンター経営 の新着記事
-
2024/12/19
第104回 多様性の時代、接客ロープレに求められる意義とは -
2024/12/03
第103回 マーケティング2.0へ!SCは「神社の参道商売」と同じである理由 -
2024/11/18
第102回 SCのマーケティングは「マスマーケティング」である理由 -
2024/10/31
第101回 今年の新入社員の30年後は「全員管理職」?人口減時代のビジネスとは -
2024/10/17
第100回 30年後、社会と商業はどうなっているのか? -
2024/09/27
第99回 「顧客を把握できる」ECに対し、リアル小売が取るべき3つの戦略とは
この連載の一覧はこちら [104記事]
関連記事ランキング
- 2024-12-12「オーケー」後の関西 イオンリテールがねらう都市型SCそよらで脱同質化
- 2024-03-08ストア・オブ・ザ・イヤー2024を発表!今、行くべき店はこの店だ!全42店舗掲載
- 2024-11-18第102回 SCのマーケティングは「マスマーケティング」である理由
- 2024-12-03第103回 マーケティング2.0へ!SCは「神社の参道商売」と同じである理由
- 2022-11-21第58回 自らが決めた「定義」に縛られた百貨店とSCが生き残る方法
- 2024-08-15第96回 ショッピングセンターの売上がいま“なぜか”好調な理由とは
- 2020-07-01アフターコロナ時代のBCPその3 「店舗に依存しない販売」や店頭受け渡しを進めなければならない理由
- 2024-06-16コロナ後も堅調! ミールキットのパイオニア、ヨシケイの現在地
- 2019-08-21玉川高島屋S・C、開業50周年に合わせて改装、食料品フロア全体をリニューアル
- 2020-02-17オリックス、「クロスゲート金沢」の商業施設テナントを発表、食を中心に34店舗