顔認証のみ夜間無人で24時間営業の三洋堂書店、なぜ売上あがった?

2024/08/05 05:59
油浅健一
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無人店舗が切り拓く可能性

スマ本屋三洋堂本新店外観
スマ本屋三洋堂本新店外観
 「スマート無人営業」導入店舗は2025年3月期までに5店体制とする予定で、同社としてもしっかり先を見据えて取り組んでいる。無人店舗の運営ノウハウを確立できれば、そこだけを切り出し、人口が少なく、書店のない街へ低コストで出店する道もひらけてくる。そうなれば、同社のチェーン展開も息を吹き返すことになる。

 書店減少については、3月に齋藤健経済産業大臣が、「書店は、日本人の教養を高める重要な基盤で、書店に出かけることで新しい発見があり視野も広がる」として、地域の書店の振興プロジェクトチームを立ち上げ、書店支援に乗り出すことを表明している。

 日販は溜池山王に無人書店「ほんたす」を出店。その理由として、「人と本のタッチポイントが必要」と明かしている。

 書店の減少傾向は止まらないが、本をめくる手触りが好きという読書家もまだまだ多くおり、ニーズ自体が減衰しているわけではない。本をつくる出版業界も苦境にあるなど、取り巻く環境は総じて厳しいが、工夫することでニーズを呼び覚まし、ファン化する余地は間違いなくある。

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