赤字体質から脱出、ドレステリアが2年連続で過去最高益を更新した復活戦略とは
二世代で楽しめるラグジュアリーブランドへ
リブランディングの結果、売上や利益率に直結する要因となった点が3つある。
一つは、定価での販売率が改善されたことだ。「これまでは30%前後と低く、過去の赤字体質の大きな要因になっていたが、60%前後にまで改善されている」
もう一つは、EC売上の伸びだ。コロナ前と比較して、レディースが100%増、メンズが400%増と、ECによる売上としては飛躍的だ。
現在の店舗数は15店舗と限定的なため、新規客にとって最初のタッチポイントの多くがECになっている。これを受け、「リブランディングを進める際に、EC画面を通して伝える世界観も徹底的に見直し、ワールドの中でもよりラグジュアリーブランドだとイメージできるようサムネイル画像を一新した」
これほどまでに伸びているのは、「昔からのドレステリアの世界観を求めて購入してくれていた世代も新しい世代も、新たに追加されたトレンド感のあるアイテムがお手頃価格で手に入ることに魅力を感じて、追加購入やリピート購入につながっているのではないか」と推測する。
さらに、現場の店舗スタッフが感じる変化も見逃せない。最近、親子でドレステリアに買い物に来てくれるケースが多いというのだ。「50代の父と20代の息子、50代の母と20代から30代の娘といった組み合わせでお店を訪れ、それぞれの洋服を選んで購入してくれる。親子で楽しめる手の届くラグジュアリーブランドとして認知されつつある」と靏氏は話す。