売上規模もEC比率も関係ない!勝ち組アパレルに共通する「ライトオフ期間」の長さとは?

河合 拓 (株式会社FRI & Company ltd..代表)
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ユニクロはリアル店舗がいらない?自動販売機の方が合理的な理由

 ユニクロに代表されるコモディティ商品、ベーシック商品の中で、すでに国民の90%に認知されているようなもの、例えばヒートテックなどは、ほとんどが「買い換え」や「買い足し」がメーンと推察されるから、あえてUX(顧客体験)に力を入れる必要は無い。だから、大きな投資が必要な店舗を作るよりも、駅ナカや空港に自動販売機を設置する方が、よほど効率的だと私は思う。実際、米国ではすでにヒートテックは自動販売機で販売されている。

  私は、ユニクロのようなコモディティ商品は、すべて自動販売機が設置された「自動販売機ストア」を都心のど真ん中につくればおもしろいと思う。レジ待ちはなくなり、スマホでポチれば「ガチャン」とヒートテックが落ちてくる。デニムなどは、鏡に自身の姿を写し、AIがレングスサイズを計測する。店内の中央に置かれたコーヒーショップでデジタルサイネージの広告でも見て待っていれば15分程度でレングス調整後のデニムが「ガチャン」と落ちてくる。私は、ユニクロの店舗に行くたびに、駆けずり回っている販売員を見るとかわいそうになってくる。バラバラに散らかされた服を一生懸命たたんでいる時間を短縮できればどれだけ効率的だろう。

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記事執筆者

河合 拓 / 株式会社FRI & Company ltd.. 代表

株式会社FRI & Company ltd..代表 Arthur D Little Japan, Kurt Salmon US inc, Accenture stratgy, 日本IBMのパートナー等、世界企業のマネジメントを歴任。大手通販 (株)スクロール(東証一部上場)の社外取締役 (2016年5月まで)。The longreachgroup(投資ファンド)のマネジメントアドバイザを経て、最近はスタートアップ企業のIPO支援、DX戦略などアパレル産業以外に業務は拡大。会社のヴィジョンは小さな総合病院

著作:アパレル三部作「ブランドで競争する技術」「生き残るアパレル死ぬアパレル」「知らなきゃいけないアパレルの話」。メディア出演:「クローズアップ現代」「ABEMA TV」「海外向け衛星放送Bizbuzz Japan」「テレビ広島」「NHKニュース」。経済産業省有識者会議に出席し産業政策を提言。デジタルSPA、Tokyo city showroom 戦略など斬新な戦略コンセプトを産業界へ提言

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