ココカラファイン(神奈川県)の2020年3月期第二四半期決算は、冷夏によって季節品が不調だったものの、消費税増税前の駆け込み需要や調剤事業の拡大により過去最高の売上・利益を更新した。マツモトキヨシホールディングス(千葉県:以下、マツモトキヨシHD)との経営統合に向けた協議は順調に進んでおり、2020年1月中には何らかの発表ができる見込みであることを明らかにした。
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過去最高売上・過去最高益を更新
ココカラファインの2020年3月期第二四半期業績は、売上高は対前期比3.8%増の2081億円、営業利益は同20.3%増の68億円、経常利益は同17.6%増の80億円、四半期純利益は同26.6%増の50億円だった。売上高、各利益ともに過去最高を更新した。
塚本厚志社長は次のように説明する。
「ドラッグストア(DgS)事業においては、冷夏によって季節品が不調で売上の減少があったものの、消費税増税前の駆け込み需要を予想以上に大きく取り込むことができた。さまざまなペイメント(決済手段)システムの導入によって新規のお客さまを獲得。結果、DgS事業は対前期比3.3%増となった。調剤事業においては薬価・診療報酬改定への対応が順調に進んだ。そして新規開局やM&A(合併・買収)で売上を拡大することができた。結果、調剤事業は同10.9%増となった。また20年3月期第二四半期は効率化をめざす積極的なIT投資を継続した。1つは新タブレット型POSレジの全店導入が完了した。19年3月期から導入を開始して、この2020年3月期上期に集中して入れ替えた。調剤事業ではレセコン・電子薬歴のシステム統一に着手した。進行中だが概ね半分の調剤拠点においてシステムの入れ替えを終了している」。
経営統合後はアジアナンバーワンのDgSをめざす
マツモトキヨシHDとの経営統合に向けた協議の進捗はどうか。
「(マツモトキヨシHDとの)経営統合後、売上高は1兆円、店舗数は3000店舗の日本最大のDgSグループになる。その後はアジアでナンバーワンのDgSグループをめざす。DgS事業、ヘルスケア事業のリーディングカンパニーとなった結果、両社の持っているさまざまな資産のほか、経営統合後につくり出すものが地域社会、お客さま、患者さまの求める価値に対して最大限にお応えすることが可能となる。さらにさまざまな大きなシナジー(相乗効果)が発揮できると考えている。とりわけ地域社会、お客さま、患者さまが求める『健やかに美しくすごしたい』という願いに対して、より貢献できる企業をつくること、これをめざしてマツモトキヨシHDさまと順調に協議を進めている。協議はきわめて紳士的であり、発展的な話が両社から出ていて、当初の予定通り2020年1月中には何らかの発表ができるはずだ」
ココカラファイン、マツモトキヨシHDはともに3月期決算企業だ。20年3月期通期決算は両社の経営成績が合算されたものが発表されるかもしれない。