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家電量販店売上高ランキング! ヤマダ、エディオン、ヨドバシ…上位10社を見ていくと

7~8年ごとに買い替えサイクルがやってくるとされる家電製品。その買い替え需要に下支えされ、家電量販店市場は堅調に推移している。だが少子高齢化、それに伴う人口減少は待ったなしの状況で、今後市場縮小は避けられない。業界全体に閉塞感が漂う中、家電量販店各社は次なる成長戦略として“非家電分野”への事業拡大に活路を見出そうとしている。最新期の売上高ランキングトップ10を見ていこう(ランキングの売上高は単体ベース、ほか当期純利益も掲載)。

堅調な買い替え需要が好業績を下支え

家電量販店売上高ランキング(2019) 単位:100万円、% ※単体ベース 出所:『ダイヤモンド・チェーンストア』

  社名 売上高 増減 当期純利益 増減 決算期 本部
1 ヤマダ電機 1,396,451 3.3 916 ▲ 90.6 2019/3 群馬
2 エディオン(連結) 718,638 4.7 11642 30.2 2019/3 大阪
3 ヨドバシカメラ 653,000 1.9 37,306 6.9 2019/3 東京
4 ケーズHD 575,728 1.9 14859 12.1 2019/3 茨城
5 ビックカメラ 487,523 10.1 12,055 22.3 2018/8 東京
6 上新電機 399,302 3.0 5,369 10.3 2019/3 大阪
7 コジマ 246,391 5.9 3,418 44.6 2018/8 東京
8 ノジマ 238,045 8.7 9,522 ▲ 11.6 2019/3 神奈川
9 デンコードー 150,368 1.5 4,613 ▲ 3.8 2019/3 宮城
10 ベスト電器 127,018 ▲ 1.5 3,628 ▲ 25.3 2019/2 福岡

 ダイヤモンド・チェーンストア編集部が作成した家電量販店の最新期の売上高ランキングトップ10によれば、大手10社中9社が増収を達成した。2018年の家電量販店業界は、11年3月の家電エコポイント制度終了、11年7月の地上デジタル放送への完全移行から7年超が経過したこともあって、エアコンや冷蔵庫、洗濯機といった白物家電のほかTVなどの買い替え需要が発生し、販売が増加。大手各社の売上高は堅調な伸びを示した。

 ランキング上位企業を見ていこう。長年にわたり、業界最大手をひた走るのがヤマダ電機(群馬県)だ。19年3月期の売上高は、対前期比3.3%増の1兆3964億円だった。同社が目下注力するのが住宅関連事業だ。家電のほか家具やキッチン用品も販売する新業態「家電住まいる館」を17年から展開しており、19年3月末で既存店74店舗を同業態に転換している。

 また、18年10月には、傘下のヤマダ・エスバイエルホームなど住宅事業を手がける連結子会社4社を統合し、存続会社をヤマダホームズ(群馬県)に商号変更した。4社のノウハウや技術を融合し、経営資源を集約することで、住宅事業の拡大をめざす。さらに19年2月には、家具専門店大手の大塚家具(東京都)と業務提携を締結。大塚家具が持つ家具販売のノウハウを得ることで「家電住まいる館」事業の強化をめざす構えだ。

 2位のエディオン(大阪府)の19年3月期の売上高(連結)は、同4.7%増の7186億円だった。家電の買い替え需要増加が売上に寄与し、増収を果たした。同社もヤマダ電機と同様に住宅関連事業に力を注いでおり、リフォームを中核とする「エコ・リビングソーラー事業」でオリジナル塗料を開発するなど、非家電事業の育成に経営資源を投入している。

駆け込み需要と反動減の影響は?

 3位のヨドバシカメラ(東京都)の19年3月期の売上高は、同1.9%増の6530億円だった。同社も近年、次なる収益柱として非家電事業に参入し始めており、18年12月には新宿西口本店の地下2階に「ヨドバシ酒店」をオープン。19年5月には同店地下1階にジュエリー専門売場を新設した。また、4月にはアウトドア・スポーツ用品を取り扱う石井スポーツ(東京都)の完全子会社化を発表しており、シナジー創出が期待される。

 4位は茨城県地盤のケーズホールディングスで19年3月期の売上高は同1.9%増の5757億円だった。エアコンやスマートフォンなどの販売好調により増収を果たしている。5位はビックカメラ。18年8月期の売上高は4875億円で、対前期比で10.1%増と高い伸びを示した。5店舗を新規出店するなど出店による売上増が増収の主因だ。なお、傘下のコジマの業績も好調で、連結ベースでも増収となっている。

 19年10月の消費増税を前に、家電量販店業界では駆け込み需要が期待され、今期の通期決算では一時的に売上高が大きく伸びることが予想される。だが、過去の消費増税時のことを踏まえると、その反動減の影響も大きく、売上増を手放しに喜べない状況が続きそうだ。