ポリエステル繊維で緑化?古着リサイクルの先行くPLUS∞GREEN PROJECTの未来像
繊維専門商社のスタイレム瀧定大阪(大阪府/瀧隆太社長)が推進するサステナビリティの取り組み「PLUS∞GREEN PROJECT(プラスグリーンプロジェクト)」が着実に広がりつつある。2021年2月にスタートした同プロジェクト。従来廃棄される衣類などのポリエステル繊維を培地としてリサイクルし、緑化につなげるという取り組みだ。古着や繊維リサイクルの上を行く、地球そのものの再生に貢献するアクション。同プロジェクトでマーケティング役を担う同社R&D部 R&D室の坂本和也氏に、現状や展望を聞いた。
古着リサイクルの先を行く、化繊から緑を生み出す取り組み
テキスタイル事業では国内市場でトップシェアを誇るスタイレム瀧定大阪にとって、廃材処理は重要なテーマの一つ。企業の責務としての廃材処理をより社会的な価値ともリンクさせ、社会を巻き込むムーブメントにできないものかーー。大量生産大量消費の時代が一区切りした昨今、このテーマを繊維専門商社の一営業社員として、考え続けていた一人がR&D部 R&D室の坂本和也氏だ。
「繊維専門商社として、社会的価値の創造と経済的価値の創造の両立を目指そうとする中で、特に取り扱いの多いポリエステル繊維に着目。サステナビリティの取り組みへ発展できないかと検討している際に、ポリエステル繊維リサイクル培地を開発製造している企業と出会い、プラスグリーンプロジェクトを立ち上げることになった」と同プロジェクトをけん引する坂本氏は発足のいきさつを説明する。
ポリエステルは、主に石油など化学的に合成された原料のみでつくられる合成繊維。ペットボトルの原料として知られるように、環境汚染につながる象徴といえる素材の一つだ。アパレルではフリースに活用されることでも知られ、リサイクルも積極的に行われている。