英セインズベリー、アズダとの経営統合を断念、当局が阻止
英スーパーマーケット2位のJセインズベリーは4月25日、同3位で米ウォルマート子会社のアズダとの経営統合を断念すると発表した。日本の公正取引委員会に当たる競争・市場庁(CMA)が同日、両社の統合を阻止すると発表したため。CMAは、両社の統合が店舗やオンラインストアでの価格上昇につながることを、阻止の理由としている。
セインズベリーとアズダは2018年4月に経営統合することで合意していた。2017年度の両社の売上高を合算すると約510億ポンド(約7兆4000億円)となり、統合が実現すれば最大手のテスコと並ぶ企業規模になる予定だった。
統合案はセインズベリーが事実上、アズダを買収するもので、ウォルマートが統合会社の株式の42%を所有する計画だった。ウォルマートはアズダを切り離し、中国やインドなど新興国市場に経営資源を集中する予定だったが、統合計画が阻止されたことで海外事業戦略の見直しを迫られる。