ウォルマート、英子会社アズダの株式の大半を売却、25億ドルの損失計上

2020/10/05 10:45
ダイヤモンド・リテイルメディア 流通マーケティング局

アズダの外観
ウォルマートは1999年にアズダを完全子会社化したが、業績は伸び悩んでいた

 米ウォルマートは10月2日、英国子会社アズダの株式の大半を売却すると発表した。アズダの企業価値を68億ポンド(約9300億円、債務と保有現金を除く)と評価、過半数の株式をコンビニエンスストア「EGグループ」の経営者兄弟と投資会社TDRキャピタルが取得する。売却する株式数や金額は明らかにしていない。

 ウォルマートは1999年にアズダを完全子会社化した。アズダはテスコ、セインズベリーに次ぐ英国3番手のスーパーだが、ドイツ系食品ディスカウントストアのアルディ、リドルの台頭などもあって業績が伸び悩んでいる。2018年にはアズダとセインズベリーを経営統合すると発表したが、独占禁止法当局の承認を得られず断念した経緯がある。

 アズダの株式売却は2022年度上半期に完了する予定。売却に伴ってウォルマートは現金の支出を伴わない25億ドル(約2600億円)の損失を計上する。一部の株式は保有を続け、取締役会メンバーのうち1名を派遣する。株式売却後も一部商品の供給を続ける。

 EGグループは、モシン・イッサとズーバー・イッサの兄弟が2001年に英国で創業したユーロ・ガレージと、TDRキャピタル傘下でフランス、ドイツ、オランダなどでガソリンスタンド併設型のコンビニなどを展開していたフォーコート・リテール・グループが合併し、2016年に誕生した。イッサ兄弟はEGグループの共同CEOを務めており、TDRキャピタルが同社株式の50%を保有する。イッサ兄弟とTDRキャピタルはアズダに均等出資する。

 EGグループは2018年に米食品スーパー最大手クローガーからコンビニ事業を買収し、米国に進出した。現在、英国と欧州大陸、米国などで約6000店舗を展開している。

 アズダではロジャー・バーンリーCEOら現経営陣が、引き続き経営の指揮を執る。イッサ兄弟とTDRキャピタルは、アズダの事業強化のために今後3年で10億ポンドを投じるとしている。

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