ヤオコー23年3月期上期決算は増収減益で着地!それでも通期は増収増益を見込む理由

2022/11/11 05:55
    小野 貴之 (ダイヤモンド・チェーンストアオンライン 副編集長)
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    増収増益記録の更新なるか

     中間決算は増収減益での着地となったヤオコーだが、通期の業績目標は据え置き、連結ベースで営業収益5460億円(対前期比1.9%増)、営業利益は255億円(同5.9%増)、経常利益247億円(同6.1%増)、当期純利益160億円(同4.0%増)と増収増益を見込む。なおヤオコー単体ベースでも増収増益を計画している。

     川野社長は下期の見通しについて「下半期も読みづらい状況が続くことが予想されるが、極端に業績が落ち込むことはないと見ている。経費面では、水道光熱費はコントロールできないが、人件費についてはAI自動発注などを通じて生産性向上を図っていく。厳しい環境だが、当初想定の売上・利益を実現したい」と話す。

     前期は巣ごもり消費の恩恵を大きく受けたこともあって、23年3月期の増収増益に向けたハードルはそもそも高い。実際に中間決算は減益着地となったものの、営業収益営業利益率は5.7%とスーパーマーケット企業としてはトップクラスの水準を維持している。

     反動減、資源価格の高騰といったマイナス要因を跳ね除け、ヤオコーはスーパーマーケット企業としては前人未到の34期連続の増収増益を達成できるか。これまでさまざまな環境変化があった時も、ことなげに記録を伸ばしてきたヤオコー。今回の記録更新の難易度はかつてなく高いものになりそうだが、逆に期待が高まるところだ。

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    記事執筆者

    小野 貴之 / ダイヤモンド・チェーンストアオンライン 副編集長

    静岡県榛原郡吉田町出身。インターネット広告の営業、建設・土木系の業界紙記者などを経て、2016年1月にダイヤモンド・リテイルメディア(旧ダイヤモンド・フリードマン社)入社。「ダイヤモンド・チェーンストア」編集部に所属し、小売企業全般を取材。とくに興味がある分野は、EC、ネットスーパー、M&A、決算分析、ペイメント、SDGsなど。趣味は飲酒とSF小説、カメラ

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