One to Oneマーケティングを実現する=イオンマーケティング 小賀雅彦 社長

聞き手:千田 直哉 (株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア編集局 局長)
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──そして10年10月、いよいよGMS業態向けに「イオンかざすクーポン」のサービスを開始しました。

小賀 ええ。首都圏の47店舗を対象にスタートしました。対象店舗は、携帯電話と親和性がある人が多いマーケットから始めようということで、首都圏の店舗を選びました。

 サービスを開始してみて、個店ごとにお客さまの反応がかなり違うという結果が出ました。こちらから何も説明しなくても、どんどん会員が増えていく店もあれば、そうでない店もあります。とくにルーラル(=田舎)エリアの店のお客や年配のお客さまに対しては、説明なしではなかなかご理解いただけないようです。

 かざすクーポンの配布頻度は週1回で毎週水曜日更新。それとは別に毎週火曜日と金曜日にメールマガジンを配信しています。会員数は、初年度300万人、12年度末までに1000万人の獲得をめざしています。

──会員数を増やすためには、魅力的なコンテンツづくり、すなわちソフト強化が欠かせません。どのように進めていくのでしょうか?

小賀 お客さまにとって、いちばんわかりやすいのは割引クーポンなどのお得な情報ですから、最初のうちはそれに注力します。ただ、それだけでは会員の維持、新規会員のさらなる獲得には限界があります。今後は、ゲームなどの若い世代向けのコンテンツ開発をどんどんやっていかなければならないと思います。

 理想的なかたちは、「乗換案内」のような、大多数の人が使用するキラーコンテンツがイオンのモバイルサイトにあるということです。そうなれば、使用頻度も高い、とても強力なサイトになると思います。ただ、将来的には、どの競合企業も同じような販促を開始するものと見ていますので、その時までに、イオン独自の強力なコンテンツをつくり、差別化できて支持されるサイトになっていたいと考えています。

段階的に、チラシからケータイ販促へと移行

──現時点では、会員に発信している情報は1種類だけなのでしょうか。

小賀 ええ、現時点ではそうです。ただ、ケータイ販促で先行している企業さんの実例を見ると、顧客の購買履歴等に応じて、何パターンかにセグメンテーションして、最適な情報を提供するということを行っています。当社も、今後そのようにしていく考えです。そして、最終的には、One to Oneマーケティングをめざしていきます。

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聞き手

千田 直哉 / 株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア 編集局 局長

東京都生まれ。1992年ダイヤモンド・フリードマン社(現:ダイヤモンド・リテイルメディア)入社。『チェーンストアエイジ』誌編集記者、『ゼネラルマーチャンダイザー』誌副編集長、『ダイヤモンド ホームセンター』誌編集長を経て、2008年、『チェーンストアエイジ』誌編集長就任。2015年、『ダイヤモンド・ドラッグストア』誌編集長(兼任)就任。2016年、編集局局長就任(現任)。現在に至る。
※2015年4月、『チェーンストアエイジ』誌は『ダイヤモンド・チェーンストア』誌に誌名を変更。

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