不採算店整理や業務改善など内部改革に手応え、既存店をテコ入れ=天満屋ストア 橋本和雄 社長

聞き手:大木戸 歩
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 当社は今期、営業力強化を課題として掲げています。そのためには商品力がカギとなるでしょう。当社にしかない商品を増やし、充実させることによって、消費者からの支持を得ていきたい。とはいえ今の時代、価格を無視してはお客さまにそっぽを向かれてしまいます。期間や対象商品を限定しながら、できるだけ低価格も打ち出す方針です。とくに購買頻度の高い商品については、価格訴求は避けては通れないと認識しています。

市街地へのNSC出店が理想の出店モデル

──前期は2店舗をスクラップしましたが、これからの出店戦略について教えてください。

橋本 SMを年1~2店のペースで、主に山陽道エリアへ出していきます。条件が合えばNSC(近隣型ショッピングセンター)がベストですが、あまりこだわり過ぎると物件が限定されてしまいます。単独出店の可能性を含めて、ある程度は幅広い条件を視野に入れています。標準的な売場面積は1500平方メートルです。

──競争力を発揮できるのは、どういった立地でしょうか。

橋本 市街地に比較的近い住宅地が理想です。いちばんの成功パターンに07年8月オープンの「ハピーズ大安寺店」(岡山県)があります。当社のSMを核店舗として、スターバックスコーヒー、TSUTAYA、ワールドの衣料品店「シューラルー」といったテナントが出店しています。団塊ジュニア世代をターゲットにした店づくりが特徴です。オープンしてから5年目に入りましたが、今も売上は順調です。

 同店は道を隔てた至近距離に、DS型のSMがあるほか、商圏内に有力企業の店舗が集まる激戦区です。年々ライバル店の数は増えており、その都度影響は受けるものの、早い段階で元の売上水準に戻ります。今年7月度の実績は対前年同月比5%増で推移しています。

──GMS業態の展開の方向性を教えてください。

橋本 一般的に業界ではGMS業態が不振と言われますが、GMSが一概によくないとは考えていません。当社が店舗を配している地方都市においては、「拠点性」という意味で依然として重要な役割を持っています。地域コミュニティの拠点としての機能を発揮できるように、地域と密着する取り組みも行っています。自治体と連携し、地域の行事の際などに駐車場を提供することも可能です。

 営業面でもワンストップショッピングの利便性がありますから、消費者ニーズを反映させ活性化していけば、まだまだ存在価値はあると思います。

 その意味で、この1~2年は改装にも力を入れます。現在、西大寺店(岡山市)を全面改装しているところで、その他の店も規模の見直しを含めて順次手を入れていきます。来年度も大型改装を数店計画しています。短期的には出店よりも改装のウエートが高くなります。

──最後に、将来的な目標を教えてください。

橋本 年商1000億円がひとつの目標になるでしょう。ただ今年度については既存店ベースでの減収をとめ、前期比で100%を確保することに集中します。また数店残っている不採算店についても対策を講じていく考えです。

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