不採算店整理や業務改善など内部改革に手応え、既存店をテコ入れ=天満屋ストア 橋本和雄 社長

聞き手:大木戸 歩
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橋本 GMSの「ハピータウン」についても、定位置管理や文言の統一などを行っていますが、SMにおける作業改善モデルをそのまま活用するのは難しいとわかりました。そのため今のところは作業改善のターゲットをSMに絞り、優先的に仕上げていく方針です。

 今年中にはSM全店へモデル店の手法を導入して、何度も繰り返しながら着実に浸透させていきます。

 SMの作業改善が一通り終われば、その次にGMSの中の食品部門に着手していき、次に対面売場の作業改善を進めていきたいと考えています。確かに売上高は減少していますが、衣服を吊すハンガーが一定の範囲内におさまるようにするというように、従業員の作業性を考慮した環境づくりを以前から進めてきました。

低価格攻勢には品揃えで対抗

──中国エリアは、ディスカウンターの台頭が顕著です。どのような戦略でマーケットに臨みますか。

橋本 消費者の価格への関心度は、依然として高いのが現状です。しかしDS(ディスカウントストア)型SMに対し、当社が同じように低価格で対抗するのは賢明な戦い方とは言えません。またDS業態を出して抵抗するという考えも持っていません。当社は品質のいい商品を手ごろな価格で販売する「良品廉価」をキーワードに品揃えを強化し、競合企業と差異化を図っていきます。

 具体的には、当社が独自に選んだ特徴のある商品をお客さまにアピールしていきます。これには3種類あります。ひとつは「こだわりの逸品」で、品質や産地、素材、製法などにこだわった上質な商品。2つめの「あ、これいいな」は、品質と価格のバランスにこだわったバイヤーのいちおし商品という位置づけです。3つめは「からだに優しい」で、文字どおり健康志向の商品です。

 これに加えて、地元の人気商品にスポットを当てた「地元の逸品」の品揃えにも力を入れています。各エリア、各店でその地域で好まれているお菓子や味噌、ラーメンといった商品を積極的に取り上げ、売場から発信していく商品施策です。こうした商品は、本部と店舗が共同で商品開発しています。現在は昨年よりも約300アイテム増え、800アイテム程度まで広がりました。

──生鮮食品部門についてはいかがですか?

橋本 生鮮食品については、一部の店舗では店舗近隣の生産者がつくった農作物を集めた特設コーナーを設けています。現在も新たな生産者を開拓しているところです。

 また今後は総菜も強化部門のひとつと考えています。味や品質、鮮度など価格以外の要素をアピールできるカテゴリーだからです。基本的には店内加工し、つくりたての鮮度感を打ち出していきます。198円や298円の低価格弁当も多少は扱いますが、当社は398円、498円といった価格帯を中心に内容を充実させていきます。総菜を含めた生鮮食品部門の強化は、価格以外の部分での「差異化」という点で強力な武器になるはずです。

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