SCM確立でローコスト・オペレーションを実現=マックスバリュ西日本 岩本隆雄社長
イオングループ内でもそこに着目し、主力業態のひとつとして出店政策の柱に置く企業が出てきました。
現在、当社では、食品売場は基本となるプロトタイプができています。今後は、そこへどのようなノンフードの売場を組み合わせるかが課題になってきます。選択肢としてはアパレルやドラッグなどがあり、それらを付加することで、競争力のある店舗にしていきたいと考えています。
── 一方、地方都市でも「買物弱者」といわれる人々が増えています。ネットスーパー、移動販売車、訪問販売などへの対応はどうなっていますか?
岩本 これまでお客さまの近くに店を出しながら、日常生活に利便性の高い事業を意識してきました。しかし、社会が老齢化する一方、過疎化も深刻になってきています。この問題には対応しなければいけません。
実は当社では、この11月から、兵庫県の買物が不便だといわれるエリアで「ご用聞きサービス」をテスト的に立ち上げています。電話やFAXで注文を受け付けるのではなく、パートタイマーの女性スタッフが各家庭へ足を運び、持参した携帯端末の画面を見ながら注文を入力するスタイルです。これならパソコンを持っていなくても、買物ができます。配送は専門業者にお願いして、注文を受けたら翌日、もしくは2日後には商品が届くようなイメージです。チェーンストア企業であっても、消費者の玄関にまで足を運ぶビジネスは重要になるかもしれません。
──イオングループには「まいばすけっと」という小型店があります。現在東京都と神奈川県に229店舗を展開し、高齢化の進んだ都心部でも支持され、今も着実に店舗網を広げています。あのビジネスモデルを移植できませんか。
岩本 「まいばすけっと」を成立させるには、ある程度の人口密度が必要です。その意味では、いまのところは難しいと考えます。