メルカリが多様性を認める企業、社会をめざす理由とは LGBT+の社内研修を一般公開
世界的なマーケットプレイスを作るための企業文化づくり
一般公開がスタートして数カ月。実際の閲覧数などは集計していないが、アクセスは順調に伸びているという。
「社内からの感想として、余計な情報がなく、それでいて十分な情報が入っていてわかりやすい、という声が多く上がっていたが、LGBT+の当事者とそのアライが作り上げたコンテンツということもあり、社外からもポジティブな声をいただいている」(ガルシア氏)
メルカリがこれほどまでに「ダイバーシティ&インクルージョン」を推進する理由は何なのか。
「“新たな価値を生みだす世界的なマーケットプレイスを創る”ことが当社のミッション。より多くのお客さまにとって使いやすいプロダクトやサービスを提供するためには、私たち自身が多様で、インクルーシブ(包括的)なカルチャーを体現する必要があるとの考え方からだ」(同)
「Pride@Mercari」、「Women@Mercari」、「Multicultual@Mecari」の3つのコミュニティも、誰にとっても心地よく働ける場所であり、ありのままの自分が受け入れられていると実感できる職場環境をつくるためのもの。参加はあくまでも自主的なもので、本業とは別のボランティアとしての活動となるが、社内では大きな存在感のあるコミュニティへと成長している。
現在「Pride@Mercari」に関連チャンネルのメンバーは90名を超える。「Mercari Pride E-Learning」を一般公開したことでメンバーが一気に増えた。さまざまな部署からLGBT+の当事者とアライが集い、本業をしっかりとこなしながら、上司と相談した上で業務時間の2割ほどをコミュニティ活動に充てている。「今後は、コミュニティ意識をより大事にしていきたい」とガルシア氏は言う。
「Mercari Pride E-Learning」の全社展開で、メルカリ社内でLGBT+についての認識はどう変わったのだろうか。
「3年前に入社したときは、LGBT+って何?という空気感だったが、コミュニティ主体で多数のセミナーを開催したこともあり、あなたの隣にLGBT+がいますよ!というメッセージが広く伝わったと思う。活動の成果として、対話がしやすくなったという社内の空気感を実感している」(同)