パン職人日本代表が運営する超人気店に学ぶ、お客の心を掴むパンづくり
マーケットにない商品の生み出し方
「私にとって大切なのは、この茨城県内でベーカリーを営むことです。地元の素材を仕入れて、地元にお金を落とし、地元の経済を回す。店舗の建設においても、使用しているのは地元産の建材です。地域活性化に貢献することで応援をいただき、地域とともに歩むことでお店は地域に浸透していきます」(栗原氏)
商品開発にあたっても、“農業大国・茨城県の特産品のおいしさを届けられるパン”を追求することで、結果的にマーケットにない商品を生み出すことができているという。栗原氏は、
「素材と素材を合わせておいしくなるパンにこそ価値があるというのが私の考えで、別々に食べたほうがおいしいと感じる素材を使うことはありません。繊細な素材の味を生かすためのパン生地とは何かを考えることが私のパンづくりのベースとなっています」と語る。
パン・クリハラのパンが塩分控えめな理由も、素材を生かすためだと栗原氏は説明する。
「ダシが十分に取れている味噌汁は塩分が少なくてもおいしいですよね。同じように、パンも塩分控えめのほうが素材の味を生かせます。看板商品の1つである食パンは砂糖を使っていません。とにかく無駄なものを削ぎ落とすことで、素材を十分に生かした新しい価値のあるパンができあがるんです」