パン職人日本代表が運営する超人気店に学ぶ、お客の心を掴むパンづくり
「発酵×熟成」と「茨城×世界」
栗原氏によればパン・クリハラのコンセプトには、「発酵×熟成」と「茨城×世界」という2つのテーマがあるのだという。
「小麦は茨城県産を使用し、その大部分を農家である弟から仕入れて、ドイツ製の製粉機で挽いています。ミキサーでパン生地をこねると香りが飛んでいくので、余計な負荷をかけない手ごねにこだわっているのもポイントです。そうしてできた生地を20時間かけて発酵することで、素材の旨味を引き出しています」(栗原氏)
そのほかパン・クリハラでは、香りのいい挽き立ての小麦からバゲットやマフィン、なめらかな味わいで知られるフランス・イズニー社の「AOPバター」を組み合わせたクロワッサンも作っている。「挽き立ての小麦を使った店は珍しく、ほとんどの方が食べたことがない味わいだと思います」と栗原氏は自信を見せる。
そのほかの素材では、ベーコンやハムは茨城県産の豚のなかでもとくに質のよいものを厳選している。仕入れ価格は、食品スーパーで売っているグレードの高いベーコンのおおよそ倍だという。
取り扱う素材について栗原氏は「約5kgの豚バラ肉を2、3週間タレに漬け込んでからスモークをかけています。スライスすると香りが飛んでいくので、できるだけブロックの状態で保管して、使うぶんだけカットして使用しています。あとはチーズもすべてナチュラルチーズなので、お客さまには香りの違いに驚いてもらっていますね」と述べる。