海外ブランドマケプレ「BUYMA」が独走する2つの理由と「民主的なプラットフォーム」とは
民主的なプラットフォーム運営が多種多様な取引を生む
ファッションに特化した独自のマーケットプレイスを築き上げ、順調に規模を拡大してきたBUYMA。近年では国内、グローバルともに「小ロット・多品種でいろいろなアイテムが取引される傾向が強い」と安藤氏は語る。
「とりわけグローバルにおいて顕著だが、ノーブランドのレアなアイテムや、数年前の限定モデルなど、文字どおり多種多様なアイテムが取引されている。その時の流行ではなく、オンリーワンのアイテムを志向する傾向が強まっていると感じる」
ユーザーアンケートでも、BUYMAを利用する理由として、最も多い約6割のユーザーが「他にはないものを買いたい」と答えているという。この多様なニーズに応えるために、「今後は、マーケットプレイスとしての本質的な価値をもっと磨くことに注力していきたい」と安藤氏は力を込める。
ユーザーが求めている商品がより多く集まり、より速く確実に届けられる――シンプルだが、それこそがBUYMAが追求する「本質的な価値」だ。MA(マーケティングオートメーション)ツールによって売り手・買い手のマッチングの精度を上げたり、物流業者と提携してパーソナルショッパーの発送作業の効率化を支援するなど、地道ながらもその価値を高めるための取り組みを進めている。
「マーケットプレイスはより民主的に運営されるものであることが望ましい。私たち運営サイドが過度に干渉せず、個々のショッパーがそれぞれの感性でアイテムを紹介し、価格も自主的に決定できるようなプラットフォームを目指している」(安藤氏)
消費者の価値観が多様化し、SNSなどを通じて発信力を備えたことで、企業から消費者への一方通行の関係から、より双方向でフラットな関係に変化しつつある――デジタルマーケティングの世界ではよく語られる話だが、まさにそれを体現するかのような、売り手・買い手の自由でフラットな交流がBUYMAのプラットフォームでは展開されている。時代がようやく追いついた、と言えるのかもしれない。これからも、BUYMAはCtoC市場の新たな可能性を拓いてくれそうだ。