高級ゴルフウエア「マークアンドロナ」、コロナ禍でも売上絶好調の周到な戦略
木村拓哉氏がアンバサダーを務めるゴルフウエアブランド「MARK & LONA(以下、マークアンドロナ)」(キューブ:東京都/松村智明社長)がコロナ禍においても売上好調を維持している。米LAでデビュー以来、ラグジュアリーをコンセプトとしたデザインで注目を集める本ブランドが、熱狂的なファンを世界中に獲得し続ける理由は何なのか。
デザインでゴルフ界に風穴を開ける
「退屈を着るか、自由を着るか。ゴルフに自由を」。
そんな強い思いから、ゴルフウエアブランド マークアンドロナの快進撃は始まった。2006年に前進となるブランドを米国ロサンゼルスで発表、コレクションの拡大とともに2008年にマークアンドロナに改名した。数百年の歴史があるゴルフには他のスポーツにはない厳格なドレスコードがあり、クラブハウスではブレザーを着用、襟付きシャツを長ズボンにタックイン。長靴下に帽子と保守的で、どこか垢抜けなかった。「おじさんスポーツ」「接待ゴルフ」などのキーワードも、若者のゴルフ離れを助長していたように思うが、マークアンドロナは「ラグジュアリーゴルフ」をコンセプトに掲げ、古い体質に風穴を開けるべく革新的なデザインを提案し、ゴルフ業界で快進撃を続けている。
マークアンドロナを立ち上げたのは、キューブ代表の松村智明氏で、同ブランドのクリエイティブディレクターでもある。ビジュアルの指針となるロゴは、ゴルフとはかけ離れたイメージのあるスカルのアイコンを採用し、「真夏にベロア生地のセットアップ」、「フリルだらけのポロシャツ」などファッション性の高いウェアをリリース、程なくして関心を示したのがLAのバイヤーやセレブだった。ファッション誌、ゴルフ雑誌などに取り上げられただけでなく、フレッド シーガルなどの著名セレクトショップで販売されるようになった。
LAで幸先の良いスタートを切ったことで、エストネーションやユナイテッドアローズなど国内の著名セレクトショップで大きく取り扱われるようになり、2009年に初の旗艦店を表参道ヒルズにオープン。2014年からはアジアを中心に海外進出へ。現在、世界70箇所の店舗で取り扱われ、売上の半数近くは海外のファンが支えている。