アパレル業界に迫るサステナブル対応 競合関係のワールドとTSIがコラボをする理由

2022/07/27 05:55
    小内三奈
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    百貨店の売場を盛り上げるために、1社ではなく2社の力でできることを

    大丸東京店 共有部分
    大丸東京店のキャンペーンスペース

     そもそも今回の企画の発端は、202111月に「今後の百貨店における商売の在り方」について両社で協議したことがきっかけである。過去から情報交換の場をもつ関係にあり、ワールドの縫製工場をTSIが引き継いだり、関東エリアでは配送業務を共同で行っていたという経緯もあり、「百貨店の売場を両社で盛り上げるために、1社では不可能だが2社合同でならできることはないか」と模索していた。

     両社には「百貨店に足を運ぶ消費者にSDGsに対する両社の取り組みを知ってもらいたい」との共通認識があったことから、今回のコラボキャンペーンの話がまとまった。

     頭を悩ませたのが、どの百貨店グループと組むかという問題だ。SDGsやサステナブル商品について広くPRしていくために、複数の百貨店で開催すべきか、それとも地場に強い百貨店にするかなどさまざま検討した。結局、両社のブランドが数多く入る百貨店の中で経営目標の最上位にSDGs対応を掲げている大丸松坂屋百貨店がキャンペーン内容に合致するという結論に至った。

     そこで大丸松坂屋百貨店にアプローチしたところ、課題認識の方向性が一緒であること、ファッションブランドの競合2社が手を組むインパクトの大きさを評価されすぐに実施が決まった。

     2社共同での企画、運営体制となったが、キャンペーン担当者から広報までもともと交流が深かったことから、「非常にスムーズで、同じ会社かのように進んだ」(TSI 青木課長)という。

     秋に再び、今回の内容より進化させた形でキャンペーンの実施を予定している。「今後はアップサイクルに加えてドネーション企画、また対象商品もファッションから広げ、アパレル以外で打ち出せるものがないかも議論し、売場での楽しさも演出していければと考えている。今回の取組みをご覧になられた他のディベロッパーさまにも興味を持っていただいており、可能性は広がっている」(フィールズインターナショナル 荒川部長)

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