10~50代男女が購買層!Gショックが幅広い層から支持されるマーケティング戦略とは
ファッションとのコーディネート提案により、ECも好調
ECに注力する企業が増えているが、Gショックではどのように考えているのだろうか。
「コロナ禍において、世界的にはECからの購入が増えているが、日本はまだまだ遅れている状況。また、ECとリアル店舗は両立すると考えており、ECはファンのコミュニティを作る意味合いが強い」(上間氏)
ECサイトのコンテンツとして展開しているのが、直営店舗スタッフが時計をつけて洋服とコーディネートしている「G-SNAP」だ。そのコーディネートを見てECサイトで購入する顧客も多い。
Gショックといえば、耐久性が高いことからスポーツでの使用をイメージするかもしれないが、実際はカジュアルな場面で日常的に使用されることの方が多いという。「当初、店舗スタッフのコーディネートに効果があるだろうかと思っていたが、等身大だからこそ、自分がつけている様子をイメージでき、共感しやすいようだ」
また、ECと店舗では、顧客の年齢層に違いがみられるという。「30歳以上はGショックをある程度知っているため、ECサイトでの購入が多い。一方、若い世代はGショックをあまり知らない人が多く、店舗で実物を見てから買う人が多い。若い人こそECで購入すると考えていたので興味深い」(同)
Gショックは1990年代後半に若者の間で爆発的なブームが起きた。1995年から97年にかけての出荷台数は、国内外合わせて3倍(200万本から600万本)に。現在その層は40歳を過ぎているが、一部はなおコアなファンとして根付いている。新しい限定品が出るたびに揃えたり、自分の子どもに購入する機会も増えているのだという。2021年までの累計出荷数は、1億4千万本を超えた。
幅広い年齢層のターゲットが存在するため、SNSの訴求も年齢層によって変えている。「Facebookは高めの年齢層をターゲットにして、プロダクトに関する投稿を行っている。Instagramは30歳前後に向けて、ファッションを取り入れたコミュニケーション。TikTokは若い人向けに認知を取るという戦略だ。制作はすべて社内で行っている」(同)。Facebookページのフォロワーはグローバルで1000万人を超え、時計業界ではNo.1なのだという。