ファミリーマート2022年2月期決算が発表、今期から新中計が始動!
新中期経営計画が始動
ファミリーマートは22~24年度を「再成長を実現する3年間」と位置づけ、新中期経営計画を策定。新CVS事業における店舗・ブランド・顧客基盤の強化と、基盤を活用した新規ビジネスの拡大を基本軸とし、これら両軸によって利益を生み出す好循環をめざす。
第一の軸であるCVS事業では①ブランド力、②店舗基盤、③顧客基盤を愚直に強化していく。ブランド力の強化として高いQSCVレベルを維持すると共に、店舗基盤においてはデジタルの活用による日商予測の仕組みを刷新し、出店精度の向上および店舗網を拡大する。
これに加えて、AIを活用し省人化・省力化を実現。店舗運営コストを低減していく。顧客基盤強化としては、ファミペイを引き続き強化し、顧客の積極的な来店を促す。加えて潜在ニーズの大きい女性およびシニア層へのアプローチを行っていくとしている。
2つ目の軸である新規ビジネスの拡大として、前期までに布石を打ってきた①金融、②広告・メディア、③デジタルコマースを掲げており、中計期間中の収益化をめざす。
金融については、顧客基盤と自社ペイメントサービスを活かし、21年に開始したファミペイ翌月払いやファミペイローンを収益化し、ATMや収納代行サービスなどの金融関連事業を拡大していく方針だ。
広告・メディア事業については、デジタルサイネージ設置による店舗のメディア化を加速し、まずは全店舗導入をめざし、来店客との接触可能なメディアを構築していく。デジタルサイネージをファミペイなどの自社メディアおよび顧客データ分析と組み合わせ、独自の広告モデル構築をしたい考えだ。
デジタルコマースについては、店舗網・配送網などを活かし、宅配だけではなく店舗を中心としたデジタルコマース事業を創出していく。
そしてこれら新規事業で得た収益を店舗に投資し、CVS事業を一層強化する「成長の好循環」を実現していく。
持続的な増益へ、2022年度通期計画
22年度は営業収益が4470億円、事業利益が570億円、親会社所有者帰属利益は特殊要因を除き、前年度より50億円増の330億円の増益を計画する。
コスト上昇圧力が高まる中、販売の勢いを維持し、日商・収益力・企業ブランドを引き続き向上させ、計画達成をめざす。なお23年度以降の利益目標数値は、「設定していないが、定性面では3年間の具体的な実行計画を定めており、持続的な増益をめざす」と述べるにとどめた。