ファミリーマート2022年2月期決算が発表、今期から新中計が始動!

崔順踊(リテールライター)
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ファミリーマート(東京都/細見研介社長)は4月14日、2022年2月期通期決算を発表した。20年11月の上場廃止以降2度目となる最新決算では21年に創立40周年を迎えた同社の連結決算、および22年度以降の再成長に向けた新中期経営計画について語られた。

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伊藤忠商事のTOBにより、ファミリーマートは上場廃止した

「再成長」に向けた取組みにより、業績は一定の回復

 ファミリーマートが4月14日に発表した2022年2月期の連結決算(IFRS)は、営業収益が対前期比4.6%減の4514億円、事業利益は同8.3%減の653億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は902億円(前期は164億円の当期損失)であった。チェーン全店売上高は同2.8%増の2兆8419億円だった。

 連結業績について、ファミリーマート取締役常務執行役員CSO(兼)経営企画本部長の浦島宣哉氏は「21年度の既存店日商は、8月をのぞいたすべての月で前年を上回り、通期では対前年同期比103.3%となった。既存店客数(伸び率101.1%)および客単価(伸び率102.2%)もともに前期を上回り、コロナ禍から一定の回復を見ることができた」と総括した。

 営業収益、事業利益については「前期比マイナスとなっているが、台湾ファミリーマートの関連会社化の影響をのぞくと、営業収益309億円、事業利益25億円とそれぞれ前期実績を上回っている」とコメント。

 親会社所有者帰属利益については、「台湾ファミリーマート関連特別利益を含め、期初計画を93億円上回った。特殊要因をのぞく親会社所有者帰属利益はヒット商品に恵まれ勢いが出てきていること、次年度に計画していた施策を前倒し実行したことによって前期比110億円増の280億円となった」と話す。

2021年度の振り返り

 ファミリーマートは2021年度を「再成長軌道に乗せる1年」と位置づけ、①基本の徹底、②新規ビジネスへの挑戦、③業務改革、④「ファミマecoビジョン2050」達成に向けた施策を推進、すべての施策でデジタル技術を積極的に活用してきた。

 具体的な取り組みとして、浦島氏は、ファミリーマート40周年企画の実施や21年10月から展開した新PB「ファミマル」によって親しみやすい店舗づくりを実施した点、無人決済店舗の拡大によって短時間で買い物できる利便性を提供し、従来にはなかった立地への店舗展開ができた点、部門を超えた連携によって生まれたクリスピーチキンなどのヒット商品が、定番・看板商品育成につながった点などを評価する。

 そのほか、広告・メディア事業に注力し、「店舗のメディア化」をスタートした。22年2月末には3連大型サイネージ 「Family Mart Vision」の設置店が1000店舗を達成した。また、21年度に1169万ダウンロードを達成した「ファミペイ」や新しい金融サービスの提供、飲料自動陳列ロボットやAIアシスタントの活用による業務およびサプライチェーンの効率化などについても語られた。

 加えて、温室効果ガス削減に向けた包材フィルム変更や「エコ割」の導入、「フードドライブ」の拡大など食品ロス削減にむけた独自の活動も展開した。

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