鈴木誠社長が語る、しまむらがコロナ禍でも業績好調の理由とは

2022/04/15 05:55
    野澤正毅
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    期中追加生産で需給のバランスを取る

    急な方向転換に、商品の企画や生産がよく追いつきましたね。

    鈴木 当社はサプライヤーが多く、600社が登録し常時約400社と取引しています。仕入れ先が多いのは、当社のMDがリーズナブルな価格とともに、ファッション性を売りにしているからです。社内で商品を企画したり、特定のサプライヤーとだけ取引すると、商品が同質化してお客さまに飽きられやすくなるわけです。
     JBではそのメリットを生かし、当社が「30代女性のカジュアルファッション」といった具合に、大枠のコンセプトやテーマを決めておき、そこにはまるアイテムをサプライヤーに考えていただくという、商品企画のスタイルにしています。

    オリジナルが増えるほど、在庫は膨らみがちになります。

    鈴木 在庫管理が肝になります。当社はもともと在庫を抱え過ぎないように、仕入れ量を絞っていました。一方で仕入れ商品を「売り切れ御免」にすると、チャンスロスが発生します。そこで、オリジナルについては直近2年間、売れる分だけを仕入れ、在庫が不足しそうになったら期中で追加発注して需給を一致させるジャストインタイムの在庫管理を進めてきました。

    その点では、グローバルのサプライチェーンの維持が難易度を増しています。

    鈴木 当社では、期中追加生産をスムーズにするため、一部では当社専用の工場ラインを契約しています。また、商品共通の生地も予め発注し、一定量を確保しています。そうすることで、期中追加発注の場合、どの商品が売れ筋になっても、生産に対応できるようにしているわけです。海外産地も、中国だけでなく、ベトナム、インドネシアといった具合に、必ず2カ国以上の生産拠点を設け、カントリーリスクをヘッジしています。

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