外飲み需要の縮小続くなか攻勢に出る鳥貴族HD、居酒屋業態の起死回生の一手とは

棚橋 慶次
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通期予想は未定 コロナ収束後の懸念は?

 鳥貴族HDは通期連結業績予想(期末配当を含む)について、現段階ではコロナ禍がいつ収束するかが見通せず、合理的な業績予測が難しいことから未定とした。今後は状況を見極めつつ、予測ができるようになった時点で改めて開示する予定だ。

 最近では、多くの企業がコロナ禍での影響について見通しを立てられるようになってきた。上場企業で通期予想を非開示としているのは今や少数派であり、居酒屋チェーン「庄や」を展開する大庄(東京都/平了寿社長)などは、営業赤字ながらも予想を開示している。株主の不安払しょくのためにも、早期の開示が望まれるところだ。

 さて、感染収束は衆人一致の願うところだが、たとえコロナ禍が明けたとしても同社を含め外食産業には先行きに不安要素も残る。そもそも鳥貴族の既存店売上高は、コロナ前である19年7月期頃から落ち込みが目立ち始めていた。さらに店舗数も、679店舗(18年11月末)をピークに減少が続いていた。

 ここに原料高、光熱費の高騰が小売・外食産業を襲った。鳥貴族HDでも、鳥貴族全店で4月28日より販売価格を全品税込327円均一から全品税込350円均一に変更することを発表している。これが客足にどのように影響するかは今後注視する必要があるだろう。

 また、コロナ禍が収束すれば外食業界の求人は一気に増加することが予想され、労働力の奪い合い、時給の高騰を招くことも予想できる。

 鳥貴族HDは持続的成長を回復できるのか。アフターコロナこそ鳥貴族HDの真価が問われると言えるだろう。

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