コンビニチェーン売上高ランキング2021&上位チェーン最新動向

兵藤 雄之
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2021年通期決算では大手3社が揃って減収

 21年決算は、新型コロナウイルス感染拡大が各社の業績を直撃した。市場をけん引してきた大手3社の21年2月期チェーン全店売上高も、首位のセブン-イレブン・ジャパン(東京都:以下、セブン-イレブン)が対前期比2.8%減の4兆8706億円、2位のファミリーマート(東京都)が同6.8%減の2兆7643億円、3位のローソン(東京都)が同6.3%減の2兆3497億円と揃って落ち込んでいる。

 新規出店については、20年2月に大手3社が揃って出店スピードを減速させる方針を発表しているとおり、21年2月期は、セブン-イレブンが610店(店舗純増数は169店)、ファミリーマートが139店(同39店)、ローソンが346店(同85店)で、1000店ペースで出店していた以前と比べて大きく縮小させた。

 一方で、ランキング5位ながらセコマ(北海道)は、北海道に密着した経営で成長を続けており、20年12月期のチェーン全店売上高は同1.4%増の1837億円。店内調理総菜や独自商品の好調、「北海道ブランド」を訴求する独自商品の外販拡大などにより好業績を維持している。

 ランキング下位の2社(アズナス、国分グローサーズチェーン)は22年決算に大きな変化が生じるはずだ。アズナスはエイチ・ツー・オーリテイリング傘下のCVSだが、親会社とローソンとの包括業務提携契約(21年5月)により、阪急沿線に展開していた「アズナス」全98店舗を「ローソン」に転換した。1978年から半世紀近くにわたり「コミュニティストア」を展開してきた国分グローサーズチェーンは、新型コロナの感染拡大による経営環境の急激な悪化から事業の撤退を決定、21年11月末ですべての営業活動を終了した。

 「コンビニ」が新たな業態として日本に定着して50年近く経つ。今回のコロナ禍により、はからずも、コンビニエンス(利便性)だけで顧客を維持していくことの難しさを知るところとなった。今後、コンビニが以前のような輝きを取り戻すとすれば、どのような機能をまとうことになるのだろうか。

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