資本力と資金力はどう違うか 事業を成功に導くのが「資金力」である理由
事業を成功に導く資金力
格好の例が、昭和40年代に市場にどんどんと参入を決め、数年を待たずに次々と撤退した大資本傘下の食品スーパー企業だ。当時のそんな状況は、「スーッと出て、パーッと消える」と揶揄された。もう少し頑張れば軌道に乗る事業でも、撤退させてしまうのが大資本のDNAだ。その結果、資本力のある企業内に新規事業はなかなか育たない。
これに対して、情熱的で野心的な起業家が新たに興した事業は、ずいぶんと違う。規模の大小に関係なく、資金調達については起業家自身が背負いこみ、決して他人任せにしない。血のにじむような努力を繰り返し、調達した資金を活用して、自分や家族、社員を路頭に迷わせまいと命懸けで事業に打ち込むから成功する確率が高くなる。泥臭く、しぶとく、事業だけに専念し、“撤退”という言葉は頭の片隅にもない。だから同じビジネスモデルであっても資金力のある事業はうまくいくのだという。
この話の締めくくりに、安土さんは言った。「『スーッと出て、パーッと消える』ような食品スーパーが多かった時代に成功した企業には、必ずと言っていいほど資金力を持つ傑物の創業者がいた」のだそうだ。
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