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長野・塩尻のアットホームな定食屋で、ワイルドな郷土料理「山賊焼」をいただく

2025/04/08 05:35
森本 守人 (サテライトスコープ代表)
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仕事で各地へ行くと、時間を見つけて郷土料理やご当地グルメを調べるのだが、やはりその土地でしか味わえないものには惹かれてしまう。今回は長野県塩尻市を訪れ、現地で親しまれているという「山賊焼」を食べるというお話だ。同市はワインの産地としても有名で、面白いスポットもあるという。では早速、行ってみよう。

今回は長野県塩尻市で郷土料理を食べるというお話だ

駅のホームにある意外な場所

 長野県と聞いてまずイメージするのはリンゴ。また全国に8県ある「海なし県」のひとつであり、3000m級の山が並ぶほか美しい水など、自然に恵まれた環境ならではの料理が豊富で食文化も独特だ。そば、わさび、野沢菜はじめ、少し考えるだけで、おいしい食べ物が次々と思い浮かんでくる。

 今回、訪れたのは長野県の塩尻市。同県中部から西を指す中信地方に位置している。「塩尻」という地名の由来を調べると諸説あるらしい。塩尻市の公式Webサイトには、海から塩を運んでいた「塩の道」が、現在の塩尻あたりで終わっていたからとあった。歴史がわかると俄然、その土地に興味がわいてくる。

「塩尻 」駅で下車。自然が豊富な長野県にはおいしい食材、料理がたくさんある。楽しみだ

 電車内であれこれ検索しているうちにJR「塩尻」駅に到着する。すぐに行きたい場所をめざしたいところだが、駅構内にも面白い場所があるという情報を事前につかんでおり、まずは確認する。

 向かったのは3、4番ホームである。塩尻市はぶどうの産地としても有名で、駅内には斬新な発想の演出が施されているという。階段を下り、ホームの一番端っこで見た光景がこれである。何と、ぶどう園だ!

駅の3、4番ホームにあるのは……
「日本で唯一 ホームのぶどう園」。実際に見るとその意外な光景に圧倒された

 入口の上方に目をやると「日本で唯一 ホームのぶどう園」と記された看板が掛かっている。字面だけを見ても相当なインパクトがある。中を歩くと所々にベンチが置かれている。カップルが座り、愛を語り合うなんてこともあるのだろうか。

 私が足を運んだのは寒い時期で、あるのは葉っぱだけだった。8月下旬から9月中旬のシーズンにはぶどうがぶら下がる。塩尻市観光協会のWebサイトには「JR塩尻駅ホームぶどう棚の収穫祭」を開催したとあったので、イベントにも力を入れているようだ。

 ぶどう園を満喫した私は改札口を出た。駅前には木製のワイン樽、さらにワインの看板が見える。街全体でワインを打ち出しているのがわかる。

駅前には木製のワイン樽が置かれている。塩尻市はワイナリーが盛んなのだ

 もう少し周辺を探索したい気持ちを抑え、目的地へ急ぐ。駅から徒歩8分ほど、静かな住宅地の一角にお目当ての「正和食堂」はあった。ゆらりゆらりと揺れる暖簾をくぐり、私は店内へ入った。

駅から徒歩8分、住宅地の一角にお目当ての「正和食堂」はあった

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記事執筆者

森本 守人 / サテライトスコープ代表

 京都市出身。大手食品メーカーの営業マンとして社会人デビューを果たした後、パン職人、ミュージシャン、会社役員などを経てフリーの文筆家となる。「競争力を生む戦略、組織」をテーマに、流通、製造など、おもにビジネス分野を取材。文筆業以外では政府公認カメラマンとしてゴルバチョフ氏を撮影する。サテライトスコープ代表。「当コーナーは、京都の魅力を体験型レポートで発信します」。

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