長野・塩尻のアットホームな定食屋で、ワイルドな郷土料理「山賊焼」をいただく
「山賊定食」を注文
素朴なつくりの店内は、カウンターと座敷席が設けられている。カウンターは満席だったので、お座敷の方に陣取った。
この店の名物は「山賊焼」。塩尻市やお隣の松本市を中心とする中信地方で食べられている郷土料理である。山賊という文字からもワイルドな感じがして、ぜひ食べてみたいと興味を持った。

テーブルの上に置かれている保護ケース入りの解説には料理の説明が書かれていた。読むと「大きな鶏モモ肉に自家製のタレをたっぷりとつけ 片栗粉をまぶしてカラッと揚げています。当店では骨付きの鶏モモ肉を調理しています」とあった。シンプルな調理法なんだな。
続いて「お品書き」を見て、迷った挙句に「山賊定食(大)1500円」を注文。従業員の女性によれば、「中」はもも肉の唐揚げで、「大」になるとそこに胸肉の唐揚げがついてくるとのことだった。

料理が来る間、店内を観察していると、お客は皆、地元の方のようである。若い女性は親戚の話題とか、最近あったことなんかを店員の女性と話している。年齢層は20代もいれば、70代と思われる年配者もいる。幅広い年齢層に愛されている料理のようだ。
しばらくして私の目の前に届けられたのがこれ。メーン料理のほか、漬物、豆腐、味噌汁、ごはんがついている。完璧なルックスの定食である。

まずは胸肉から。小皿に盛られた塩、マスタードを少々つけ、口へ。うん、おいしい。京都の味付けに慣れている舌には、そこそこ濃いが、それだけごはんが進むというものだ。続いて、銀のアルミホイルで巻かれている骨付きのもも肉へ。胸肉よりも少しこってりしており、これもまた美味。その後、どんどん白米を食べすすめ、完食した。

いい時間だったと後ろに手をつき、天井を仰いだ。もう満腹である。
お勘定の際、思い切ってカウンターの方々に話しかけてみた。意外だったのは、皆さん、フレンドリーだったこと。年配の男性方からは「おいしかったですか」と料理の感想を求められた。こんなアットホームな雰囲気の店なら、また来てみたいと思いながら店を後にした。