歴史を感じる異空間、京都府庁でいただく”格別”のモーニングセット

2025/01/24 05:59
森本 守人 (サテライトスコープ代表)
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今回は、コーヒー店でモーニングセットをいただくというお話である。行き先は京都府庁。なぜお役所へ?と不思議に思う人もいるかもしれないが、実は明治時代に建てられた府庁の旧本館内に、雰囲気のよいカフェがオープンしているのだ。早速、現地へ向かうことにする。

京都府庁内にオープンした老舗コーヒー店へ

明治に建てられた府庁旧本館

 降り立ったのは京都市営地下鉄烏丸線の「丸太町」駅である。2番出口から烏丸通を北へ進む。右手には京都御所。誰でも自由に立ち入ることができ、日中は市民の憩いの場になっている。

 しばらく行くと左手に菅原院天満宮神社が現れる。「学問の神様」として知られる菅原道真公誕生の地で、境内には産湯に使われたという井戸が今も残っている。道真公が祀られていると言えば、北野天満宮が有名だが、こちらの神社の方も学業成就のご利益があり、かつ混雑していない。なので地元民としてはおすすめする次第である。

菅原道真公誕生の地にある菅原院天満宮神社

 最初の信号の「烏丸下立売(からすましもだちうり)」交差点を左、つまり西に曲がり、約300m歩くと京都府庁に到着。門の横には「明治天皇行幸所京都府庁」と記された石碑が立っており、歴史ある場所であることを実感できる。

明治37年(1904年)に建てられたレンガ造りの京都府庁旧本館

 敷地内へ。真正面に見えるのが、明治37年(1904年)に建てられたレンガ造りの京都府庁旧本館。圧倒的な存在感で、国の重要文化財にも指定されているというのも納得できる。

 建物内部は異空間ですよ。120年前の空気が漂っている感じがして、自然と背筋が伸びる。

 すぐにカフェへ、といきたいところだが、旧知事室が公開されているらしいので、まずは2階へ。部屋に入ると、案内担当のスタッフが2名配置されており、いろいろとお話しを伺った。写真を撮影しても、ネットにアップしてもよいとのことだったので、こうして紹介できているわけだ。

旧知事室が公開されている

 部屋の奥、窓際に置かれているのが、知事が使っていたデスク。重厚で、要職にあった人物に相応しい貫禄ある風貌だ。天井を見上げると、上品なデザインのシャンデリアがぶらさがっている。旧本館は昭和46年(1971年)まで使われていたと書かれていた。

 いよいよカフェへ。1階へ移動し、長い廊下の先にあるのが「salon de 1904」。オープンは2023年7月。店を運営しているのは1971年創業の老舗コーヒー店の「前田珈琲」だ。地元では有名で、あちこちに雰囲気のよい店がある。ちなみに店名の一部にある「1904」は、旧本館が建てられた1904年に由来する。期待に胸を膨らませ、店内に入った。

1階にあるカフェ「salon de 1904」

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記事執筆者

森本 守人 / サテライトスコープ代表

 京都市出身。大手食品メーカーの営業マンとして社会人デビューを果たした後、パン職人、ミュージシャン、会社役員などを経てフリーの文筆家となる。「競争力を生む戦略、組織」をテーマに、流通、製造など、おもにビジネス分野を取材。文筆業以外では政府公認カメラマンとしてゴルバチョフ氏を撮影する。サテライトスコープ代表。「当コーナーは、京都の魅力を体験型レポートで発信します」。

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