京都の随一の観光地、祇園の名喫茶店で味わう「玉子サンド」と「玉子トースト」
素朴な味わいの「玉子サンド」
訪れたのは午後2時過ぎ。人が少なさそうな頃を選んだが、予想的中、お客は私一人だった。
注文を取りに来てくれたお姉さんにおすすめを聞く。メニューを見ながら「玉子サンド」に当たりをつけていると、「玉子トースト」もよく出るという。ほかにも、「キュウリサンド」も人気とのこと。結局、「玉子トースト」と「玉子サンド」の両方、そして「ミックスジュース」を頼んだ。
事前にお店のことを調べると、創業は1960年とする記事を見つけた。確かに店内は年季が感じられる。しかし清潔感があり、花も飾られているなど、気づかいが行き届いているところに好感が持てた。
壁に目を向けると、芸妓さんとか、舞妓さんの名前が記されているお札がたくさん貼られているのを見つけた。お店の方に聞けば、女性の髪を結うなど、花街に出入りする業者さんが、ご縁のある店を訪れて置いていくのだという。お札に「祝」の文字があるのは、お座敷に初めて上がるほか、お座敷に出て一定の年数が経ったのを記念してのものらしい。やはり祇園だな。
そうこうしている間に、注文の品が目の前に並ぶ。どうです、いい感じでしょう。
まずは玉子サンドから。柔らかいパンに、玉子焼きときゅうりが挟んである。一口食べると、塩で味付けされた素朴な味わいにグッときた。おぉ、いい!次は玉子トースト。パンが焼いてあり、具材は玉子のみ。サクッといただくと、これも香ばしいトーストの風味とマッチし、とてもおいしい。ミックスジュースで喉を潤しながら、ゆっくりと食べ進めた。
そうデザートも注文していた。店頭にあったショーケースに並んでいたものである。爽やかで、暑い季節にぴったりの見た目。スプーンを使って口に運ぶと、清涼感が口いっぱいに広がった。
しばらく店内にいると、地元らしきお客が数人来店した。一人は女性で、注文したジュースを飲みながら、オーナーと思われる女性と会話した後に出ていった。またある年配の男性は、地域の活動に従事する団体の方らしく、最近の動き、関心事などについて話していた。どの方も短時間だけの滞在で、ちょっとした休憩場所として機能する、地元に密着した喫茶店なのだなと感じた。
満足である。祇園に来た時は、また立ち寄ろうと思いつつ、私は再び通りに出た。
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