「やっていただく」環境づくり
ダイヤモンド・フリードマン社では、通算5年ほど編集長を務めており、この間、ずっとプレイングマネジャー(選手兼監督)の是非について考えている。
元来、記者・編集業務が大好きで、放っておかれれば、1人ですべてやってしまうタチ。そんな私の動きをそばで見ていた友人、知人、ライターの方から「編集長は原稿を書くもんじゃない!」と散々注意されてきたからだ。
プレイングマネジャーを日本のプロ野球界で振り返ると、1970年以降は、阪神タイガースの村山実さん、南海ホークス(現:福岡ソフトバンクホークス)の野村克也さん、太平洋クラブライオンズ(現:西武ライオンズ)江藤愼一さん、そして東京ヤクルトスワローズの古田敦也さんの4人しかいない。戦績はといえば、ノムさんが1973年にパシフィックリーグを制しただけで、どの監督も大成功をおさめているとは言えない。
まあ、だからと言って、それがプレイングマネジャーを否定する理由にはならない。
しかしながら、試合(=雑誌づくり)に集中してプレイ(=執筆や編集)をする能力と状況に応じて適時・適所・適材に選手を起用する能力(=マネジメント)はまったく別次元のものであり、これをひとつの試合中に同時に最大限発揮することは非常に難しいものだ。
しかも、選手としてのマネジャーが凡ミスを犯した場合は、部下に対してまったく示しがつかない。「お前、くだらないエラーをするな!」と監督が叱咤すると、その選手に「監督こそくだらないエラーをしないでください」と言い返されてしまうことだってあるからだ。
また、ケガなどで退場を強いられた場合の危機管理も必要だ。
そう考えると、プレイヤーとマネジャーは明確に分けるのがベターだと言える。
だから、私は、『チェーンストアエイジ』誌において、極力、編集職・記者職の業務にタッチしないように心掛け、その他の雑務に従事している。少数精鋭なので、みんなには気の毒な部分もあるが、「気持ちよくやっていただくための環境づくり」に専心することが私の仕事と信じている。
というわけで、『チェーンストアエイジ』誌内には、たくさん記事を書いていませんので、せめて、このブログを毎日更新することで読者のみなさんとつながっていたいと考えている次第です。
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