「落語」と「スーパー」にまつわるエトセトラ
中二女子がスーパー打ち上げに参加!「グミ100個で家を建てたい」にしつこく疑問を投げかけるオジサン
先日、「オトメカイ」というタイトルの落語会を主催しました。女性の俳優&声優が落語を演じるというイベント。そこに昨年から「将来声優になりたいので、その勉強の一つとして落語を習わせてもらいたい」と私のところに通っている中学二年生の女の子を前座扱いで出してみました。
当日の会場は舞台下手(しもて)からしか出捌けができないのですが、一席しゃべり終えた後、間違えて舞台上手(うわて)に行ってしまい、舞台から出られないことに気付いた彼女は恥ずかしそうにUターン。小走りで舞台下手から舞台袖に消えて行くという、初々しさ100点満点の高座を務めました。
そしてスーパー打ち上げにも、共演したお姉さん方に交じって彼女も参加。一緒に出演したお姉さん方がライフ深川猿江店内で、
「しょうが半額ですって!! 師匠これ買ってもいいですか?」
「師匠!これ私がCM出てる商品ですから買って下さい!」
「うわ!このとり皮の総菜すげえ旨そう!」
と、”オトメ”の正体を見せつけるなか彼女は、
「初めて見るこのグミ買ってもいいですか?」
――さすが女子中学生。
「グミ好きなの?」
「好きです!100 個買って家を作りたいです!」
そのコメントに皆、「あら、かわいい~」的な反応を示していましたが、
「家?だったら100個じゃ足りないだろ」
「そうですね、100個買うお金が足りないので、いつか買える日が来るといいです」
「いやいやそうじゃなくて、自分自身の体が収まるくらいのサイズの家をつくるなら、グミ100個じゃつくれないだろっていう話だよ」
女子中学生の夢のお話にオジサンが理屈ぶつけてどうすんだって話ですが、
「もしくは、100個っていうのは、具体的な数字じゃなくて『たくさん』という意味での100個なのか?」
もう止まらない。
「まあとにかく、次までにもう少し現実的なグミの数を考えといて」
とむちゃくちゃな宿題を出す始末。
後日、彼女のご両親からお中元でマカロン頂きました。ありがとうございます。
立川志ら乃
1974年2月24日生まれ。98年3月、立川志らくへ入門。2012年12月に真打ち昇進。16年7月に「スーパーマーケットが好きである」ことを突如自覚。スーパーに関する創作落語に「グロサリー部門」「大豆なおしらせ」など。寄席やイベントなどのスケジュールは下記Twitter・ブログをご参照ください。
Twitter:@tatekawashirano
ブログ:https://ameblo.jp/st-blog/